実践!相続税対策
相続人に非居住者がいる場合の相続税申告【実践!相続税対策】第756号

2026.07.29
おはようございます。
税理士の宮田雅世です。
最近は、お子様やお孫様が海外で暮らしているご家庭も増えてきました。
相続人の中に海外在住(非居住者)の方がいる場合は、遺産分割の手続きや税金の計算で、日本在住者とは異なる注意点が出てきます。
今回は、非居住者がいる場合の注意点についてお話しします。
まず最も注意が必要なのが、必要書類の集め方です。
遺言書がない場合、相続人全員で遺産分割協議書を作り、実印を押す必要があります。
しかし、海外には日本のような印鑑証明書がない国が多いため、代わりに現地の大使館等で「サイン証明書」や「在留証明書」を発行してもらう必要があります。
証明書の取得に時間がかかり、10か月という相続税の申告期限までに手続きが間に合わなくなるケースもあるため、早めの準備が欠かせません。
次に、適用できる特例や税額の計算です。
自宅の評価を大きく下げる「小規模宅地等の特例」は、海外在住でも要件を満たせば適用可能です。
また、「配偶者の税額軽減」は非居住者でも制限なく使えますが、「未成年者控除」や「障害者控除」は、国籍や日本国内の住所の有無などにより、適用に制限があります。
さらに、現地で相続税に似た税金を払った場合の「外国税額控除」の適用など、複雑な税務上の判断が必要になります。
最後に、実際の財産の受け渡し(海外送金)です。
遺産分割が完了し、日本の口座から海外の口座へお金を送る際、銀行から送金理由や証明書類の提示を求められることがあります。
送金制限や為替の影響、現地の税制によって思わぬ負担が生じることもあるため、あらかじめ準備をしておくことが大切です。
海外に相続人がいる場合の手続きは、国や状況によって確認すべきポイントが変わってきます。
言葉や時差の問題もあり、直前に焦ってしまうケースも少なくありません。
海外在住のご家族がいる方は、是非お早めに専門家へご相談いただくことをお奨めします。
《担当:税理士 宮田 雅世》
編集後記
最近は海外赴任や国際結婚などで、ご家族が国外で活躍されているご家庭も珍しくなくなりました。
国境を越えた相続は「まさかうちが…」と直前に慌てることが多いため、ぜひ早めのご準備をおすすめします。
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