不動産 税金相談室
老人ホーム入所前に一時的に子の家に住んだ場合【不動産・税金相談室】

2026.09.08
Q 父は晩年約4年間老人ホームに入居していましたが、 先月亡くなりました。 老人ホームに入る前は母親と2人で実家に住んでいましたが、 母が亡くなったため、父は一時的に私どもの家に移り、 その後、老人ホームに入居しています。
実家は父が老人ホームに入居してからは空き家になっています。 父の相続税の申告にあたっては、小規模宅地特例を適用 したいと考えています。
小規模宅地特例は、老人ホームに入居していた場合でも 適用できるとのこと、また、私は賃貸マンションに住んでおり、 いわゆる家なき子の要件に該当していることを 確認していますので、小規模宅地特例は受けられると 思いますが、何か注意点はありますか?
A 居住用の小規模宅地特例は、宅地の評価において 330m2まで80%評価減できますので、この特例が適用 できるかどうかは、相続税に大きく影響してきます。
ご質問のケースでは、母親は先に亡くなっていること、 同居していた相続人はいないこと、老人ホーム入居後は 空き家になっていること、ご質問者は賃貸マンションに 住んでいることなどから、家なき子の要件の 一部は満たしています。
その他にも、相続開始前3年間に、ご質問者がご自身や 配偶者、3親等内の親族等が所有する家屋に 住んでいないことや、相続開始時にご質問者が居住していた家屋を過去に所有していたことがないこと、などもご確認ください。
さて、家なき子の要件を満たしていたとして、 後は老人ホームに入居した場合の要件を満たしているか どうかです。 その要件は次のとおりです。
・父親が亡くなる直前において、要介護認定等を受けていたこと
・父親が老人福祉法等に規定する老人ホーム等に入居していたこと
・父親が老人ホーム等に入居後に、実家を事業の用(貸付など)または新たに被相続人等以外の者の居住の用に供していないこと
以上の要件を満たせば、老人ホームに入居していた場合でも、 小規模宅地特例の適用を受けることができます。
ただし、基本的なところで一点問題があります。
それは、老人ホーム入居前に一時的にご質問者の家に移っていた、ということです。
居住用の小規模宅地特例が適用される宅地とは、 相続の開始の直前において、居住の用に供されていた宅地をいいます。
老人ホームに入居した場合は、老人ホームに入居する直前に居住の用に供されていた宅地、ということになります。
一時的にご質問者の家に移っていたのが、 どの位の期間かはわかりませんが、老人ホームに入居する直前に実家に居住していなかったとすれば、 小規模宅地特例の適用を受けることはできないことになります。
≪担当:税理士 北岡 修一≫
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