不動産 税金相談室
親の土地にアパートを建てる際の注意点【不動産・税金相談室】

2026.07.28
Q 父が所有する土地に、私がお金を出してアパートを新築しようと考えています。父に地代を支払わなくても、税金上の問題は発生しないでしょうか。
A ご相談者様とお父様との間で、地代を支払わずに無償で土地を借りる、いわゆる「使用貸借」にすることで、贈与税が課されることなくアパート経営を始めることができます。
『地代の設定』には、注意点があります。
通常、他人の土地の上に建物を建てる場合、借地権を設定する必要があります。
借地権を設定する際には、権利金として土地の価格の60%から 70%程度を支払うことになります。
ただ、親族間の場合には、ご相談者様のように借地権の権利金を支払うことはほとんどないかと思います。本来支払うべき権利金を支払わずに土地を利用している場合、『地代の設定』いかんによっては、贈与税が課されるリスクがあります。
まず、地代をまったく支払わない場合や、土地の固定資産税相当額のみを負担する場合は、「使用貸借」として扱われます。使用貸借の場合は、借地権の贈与があったとはみなされないため、贈与税が課される心配はありません。
注意が必要なのは、中途半端な地代を支払ってしまうケースです。 この地代の支払いにより「賃貸借」とみなされる場合は、権利金のやり取りがないことについて「借地権の贈与」があったものと判定され、多額の贈与税が課されるリスクが生じます。
なお、将来お父様に相続が発生した際の土地の評価についても、注意が必要です。
使用貸借によって借りている土地の場合、お父様の相続税評価は「自用地(更地)評価」となり、第三者に貸している場合の「貸宅地」や「貸家建付地」のような評価減を受けることはできません。
さらに、貸付事業用の小規模宅地等の特例(200m2まで50%評価減)も適用することはできません。
土地を賃貸借しているわけではないこと、アパートを建てたのはご相談者様でお父様ではないことにより、お父様の貸付事業とは認められないからです。 このように、使用貸借は建築時の贈与税を回避できる一方で、将来の相続税の節税には向かない面もあります。
将来の相続まで見据えた上で、計画を進めることをお勧めします。
≪担当:税理士 青木 智美≫
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