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現預金が多い場合の事業承継税制【実践!事業承継・自社株対策】第83号

現預金が多い場合の事業承継税制【実践!事業承継・自社株対策】第83号

2022.01.13

Q 当社は同族経営で、従業員は3名の不動産会社です。
賃貸仲介や管理が中心の会社で、賃貸用の不動産はそれ程多くは所有していません。

今後、事業承継税制を使いたいと思っているのですが、現預金が資産の半分以上は占めており、そのような会社は対象にならないとも聞いていますが、そうなのでしょうか?

A 資産管理会社に該当してしまうと、事業承継税制の対象にならなくなります。御社はその可能性があります。

資産管理会社には、資産保有型会社、資産運用型会社があります。

資産保有型会社とは、帳簿上の総資産に占める特定資産の割合が、70%以上の会社をいいます。

また、資産運用型会社とは、会社の総収入金額のうち、特定資産の運用収入の占める割合が、75%以上である会社をいいます。

御社の場合は、このうち資産保有型会社に該当してしまう可能性があります。

判定の対象となる特定資産には、賃貸用の不動産や有価証券だけでなく、現預金も入ってくるからです。

特定資産には、どのような資産が入るのかを確認しておきましょう。

<特定資産>

1.有価証券
上場株式や債券などはもちろん、資産管理会社に該当する特定子会社の株式も含まれます。

2.自社で使用していない不動産
遊休地や賃貸不動産、販売用不動産も入ります。不動産業の場合は、注意しておく必要があります。
また、役員社宅も特定資産に該当します。ただし、従業員社宅は特定資産に該当しません。

3.ゴルフ場やリゾートクラブなどの会員権
接待用で事業に使うものであっても、特定資産に該当します。

4.絵画、彫刻、工芸品などの動産、貴金属、宝石等

5.現金、預貯金その他こららに類する資産
現預金の他、保険積立金なども含みますので要注意です。
また、後継者や同族関係者に対する貸付金、未収金、立替金、差入保証金なども特定資産に該当します。

以上、様々な資産が特定資産に該当してきますので、事業承継税制の適用可否を判定する場合には、注意しなければなりません。

なお、資産管理会社に該当した場合でも、常時雇用する親族以外の従業員が5人以上いる場合などは、事業承継税制の適用を受けられる可能性があります。

ただし、御社の場合は従業員は3人とのことなので、これには該当しないことになります。

《担当:税理士 北岡 修一》

編集後記

先日、顧問先の事業承継税制の認定申請を出しました。
期限が1月15日なので、12月頃に株式の贈与をすると時間がなくなかなか大変ですね。
贈与をするには株式の評価なども必要ですので決算がいつかなども影響してきます。認定申請の後は、3月15日までに贈与税の申告。相続時精算課税の届も忘れないようにしないといけないので、事業承継税制の適用はかなり気が張りますね。

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