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土地の無償返還の届出をしている場合の評価【実践!事業承継・自社株対策】第169号

土地の無償返還の届出をしている場合の評価【実践!事業承継・自社株対策】第169号

2023.10.05

Q 当社は私個人の所有する土地に、私が100%株を持つ会社が建物を建てて本社としています。

土地の賃借にあたっては、土地の無償返還の届出を税務署に出しており、賃貸借契約により通常の地代を支払っています。

この場合、私の相続が起こったときの土地の評価はどうなりますか。また、株式の評価に与える影響はありますか?

A ご質問の「土地の無償返還に関する届出書」を提出することにより、税務上は会社に借地権は発生せず、借地権は会社に移転しないことになります。

したがって、ご質問者が所有する土地の相続税評価は、借地権分を控除しない自用地(更地)として評価することになります。

ただし、ご質問者と会社は賃貸借契約を結んで、会社が建物を建てていますので、借地借家法(または借地法)上の借地権は存在することになります。

そのため、ご質問者はその土地の自由な使用収益が制約されており、それを考慮して自用地としての評価額から20%を評価減することになります。

通常、借地権割合は60%、70%の地域が多いですが、そこまでの評価減はできませんが、上記の趣旨を考慮して20%の評価減を認めている、ということです。

その一方で、その土地の所有者が同族関係者となっている同族会社に対して、その土地を貸し付けている場合は、株式の評価額にも影響を与えます。

その株式の純資産評価の計算において、土地の評価において評価減された20%の金額を、借地権として資産に計上する必要があります。

土地は20%評価減される代わりに、その20%は株式の評価額の計算において加算される、ということです。

自分が株式を持つ同族会社に土地を賃貸する場合は、個人法人を通じて土地の評価は100%反映される、ということになります。

《担当:税理士 北岡 修一 》

編集後記

自分が株式を持っている会社に土地を賃貸した場合は、上記の取扱になりますが、株式を持っていない会社(たとえば親族の会社など)に賃貸している場合は、株式の評価において借地権を加算する必要はない、ということになりますね。

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