実践!事業承継・自社株対策
持株会社への株式譲渡の時期【実践!事業承継・自社株対策】第301号

2026.05.22
Q:中小企業のオーナー経営者ですが、将来の事業承継のために持株会社を作る予定です。
昨今の好業績や、類似業種の株価上昇などにより、自社株の評価が上がっています。
来年からは株式譲渡なども含めて高額所得の課税が強化されるとのことですが、今年中に持株会社に売却した方が良いのでしょうか。
A:ご質問の件は、ミニマムタックスのことかと思われます。
ミニマムタックスについては、第287号のメルマガに書いておりますので、詳しくはそちらをご参照いただければと思いますが、令和7年分の所得税から適用されているミニマムタックスは次のとおりです。
(基準所得金額-3.3億円)×22.5%-基準所得税額=追加納税額
基準所得金額は、給与所得や事業所得、譲渡所得、配当所得など、特定口座で申告不要となっているものも含まれます。
ほとんどすべての所得が入り、そこから3.3億円を控除し22.5%を乗じます。
そこから、基準所得にかかる通常の所得税(基準所得税)を控除した金額を、追加で納税するというのがミニマムタックスです。
このミニマムタックスが、本年令和8年に次のように改正され、令和9年分の所得税から適用されます。
(基準所得金額-1.65億円)×30%-基準所得税額=追加納税額
控除額が3.3億円から1.65億円に下がり、税率が22.5%から30%に上がるという、かなりの増税案です。
改正前は、年間所得が約30億円を超える方が対象になるとされていましたが、改正後はそれが約6億円まで下がる、とされています。
ご質問の株式譲渡も含めた年間所得が6億円を超えるようであれば、令和8年中に譲渡することも検討されてはいかがでしょうか。
《担当:税理士 北岡 修一》
編集後記
事業承継対策では、今後はミニマムタックスも頭に入れておく必要があります。持株会社に株式を移転する対策を行う会社は、それなりに株価が高いでしょうから、6億円を超えてしまうことは普通にありそうです。本文のように株式を移転する時期にも注意しておかなければいけないですね。
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