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親の土地にアパートを建てる場合の地代【不動産・税金相談室】

親の土地にアパートを建てる場合の地代【不動産・税金相談室】

2023.07.18

Q 親の土地にアパートを建てて、賃貸事業を始めることになりました。親は地代はいらないと言っていますが、収入もある以上、きちんと地代を払わないと贈与になるのではないかと思いますが、いかがでしょうか?

最低でも土地の固定資産税分くらいは、払わないととは思いますが、どのくらいの地代を払えば税務的にも問題ないでしょうか?

A 親子関係なので、自分の土地でない土地に、容易に建物を建てることができます。
これがもし、第三者の他人の土地であったならば、当然、簡単に建物を建てることはできず、まずは土地の賃貸借契約を交わす必要があります。

土地の上に建物を立てると、土地の所有者(地主)は、そこから長年にわたりその土地を利用することができなくなります。
そのため、建物を建てる人は借地権を設定してもらい、それなりの権利金を支払う必要があります。

国税庁の定める借地権割合は地域によって変わりますが、都市部の住宅地では、60%、70%程度が多くなっています。
すなわち、土地の価額の60%~70%もの借地権の権利金を支払う必要があるのです。

その上で、通常の地代を支払っていくことになります。

親から土地を借りて建物を建てる場合、当然、ここまでのことをしないのが普通です。この場合は、土地の賃貸借でなく、使用貸借で借りるというのが一般的です。

使用貸借とは、無償で借りるということです。

収入もあるので、地代を支払いたいとなると、それは賃貸借となります。
賃貸借の場合には、その前提として借地権を設定して権利金を支払う必要が出てきます。単純に地代だけ支払えばよい、というわけではないのです。

地代だけ支払って、借地権の権利金を払わないとしたら、その権利金分の金額を親から贈与を受けた、とみなされてしまう可能性があります。
これが怖いところです。

親子間ですから、当然、権利金のやり取りはしないでしょうから、賃貸借契約の関係にはしない方がよい、ということになります。

したがって、使用貸借として地代はなし、あるいは土地の固定資産税分は子が支払う、ということにした方が良いでしょう。固定資産税の負担程度は使用貸借の範囲として認められます。

なお、この土地はアパートの敷地ではありますが、子がアパートを建てていますので、相続税評価上は貸家建付地として評価減することはできません。
また、使用貸借ですので、小規模宅地等の評価減もすることはできませんのでご注意ください。

                      

《担当:北岡 修一》

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