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相続土地国庫帰属制度について 【不動産・税金相談室】

相続土地国庫帰属制度について 【不動産・税金相談室】

2022.10.28

Q 将来の相続に備えて、財産の整理・確認をしておりますが、その中には子どもたち(相続人)のいずれもが不要だと考えている土地があります。
遠方であり、また地方の過疎地域であるため、売却して処分することも困難ですが、仮に売却できなかった場合、特定の土地だけを相続放棄することができるでしょうか。

A 一部の財産が不要だからといって、相続人等が不要な財産のみを放棄して、特定の財産だけ相続することはできません。

相続放棄するには、全ての財産を放棄しなければならないのです。

ただし、2023年4月27日から「相続土地国庫帰属制度」がスタートしますので、今後は一定の条件を満たせば、ご質問のような不要な土地を国に引き取ってもらえるよう申請することができます。

近年、相続人の誰もが取得を望まず、かといって売ることもできない土地がそのまま放置され、次世代あるいは次々世代に移り変わり、所有者が分からなくなってしまっているケースが問題となっています。

こうなると、公共工事や災害などでその土地の利用が求められた場合でも、その対応に困難が生じてしまうこととなります。

相続土地国庫帰属制度は、このような「所有者不明土地」をなくすために設けられた制度なのです。

とはいえ、どのような状態の土地でも、国に引き取ってもらえるというわけではありません。

建物がある土地や、担保設定等がされている土地、土壌汚染されている土地、境界や所有権の争いがある土地、管理または処分に過分な費用・労力がかかる土地などは対象外です。

担保設定されている土地が対象外となるということは、担保提供が必要である「相続税の延納」などを検討する際に影響がありそうですね。

また、この制度の申請は、相続や遺贈により土地を取得した相続人が行うことができ、国への帰属が承認されれば、管理費10年分相当額の負担金の納付が必要となります(その他、審査手数料も発生する見込みです)。

税理士として、相続対策や相続税申告業務を行っていると、「タダでも良いから処分したい」「国や自治体に寄付できないか」など、不要な土地の相談を受けることがありますが、思うように処分できないケースも少なくありません。

この制度は、手続きの手間や費用は生じるものの、ご家族にとって「余計な負担」になっている土地を処分する1つの方法として、検討されても良いのではないでしょうか。

なお、相続により取得した土地であれば、過去に相続した土地であっても対象となりますので、長年負担に感じていらっしゃった土地も改めて検討していただくことができます。

《担当:税理士 樋口 智勇》

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