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実践!相続税対策

国際化する相続と課税財産の範囲【実践!相続税対策】第768号

国際化する相続と課税財産の範囲【実践!相続税対策】第768号

2026.10.21

皆様、おはようございます。
資産税部の太田遼です。

近年、「子どもが海外で働き、そのまま生活の拠点を海外に置いている」「被相続人自身が海外に住んでいた」というお話を伺うことが多くなってまいりました。

そこで本日は、日本国外に居住している方が関係する「相続財産の範囲」について、どこまでが課税対象となるのか、基本的なルールをお話しします。

まず、原則として、被相続人または相続人のどちらか一方が日本国内に住所がある場合は、国内の財産だけでなく世界中にあるすべての財産が課税対象となります。

また、双方が海外に住んでいても、どちらかが過去10年以内に日本に住所があった場合などは、やはり世界中の財産が、課税対象となります。

逆に言えば、親子双方が10年超、日本に住所がない場合は、日本国内にある財産にのみ、相続税が課税されることになります。

その他にも、「国内財産のみ」に課税されるケースがいくつかあります。

その1つが、相続人が「一時居住者」に当たる場合です。

「一時居住者」とは、就労などの在留資格を持って日本に住んでいる外国籍の方で、相続開始前15年以内に、日本に住所を有していた期間の合計が「10年以下」である人をいいます。

「一時居住者」の親(被相続人)が亡くなった場合、その親が「非居住被相続人」に該当する場合には、日本国内に親の財産があった場合のみ、それに相続税が課税されることになります。

「非居住被相続人」とは、亡くなった時に日本国内に住所がなく、かつ相続開始前10年以内に、日本国内に住所がなかった被相続人をいいます。

また、10年以内に日本に住所があった場合でも、その間、一度も日本国籍を有していなかった被相続人も、「非居住被相続人」となります。

同様に、「一時居住者」の親が亡くなった場合に、親が日本に住んでいた場合はどうでしょうか。

この場合でも、親が「外国人被相続人」に該当する場合は、日本国内にある財産にのみ相続税が課税されます。

「外国人被相続人」とは、亡くなった時に日本国内に住所があり、かつ在留資格を有していた被相続人をいいます。
日本での居住期間の長さは問いません。

次に、相続人が日本に住んでいない場合です。

親が上記の「外国人被相続人」で日本に住んでいる場合、子が外国人(日本国籍なし)であれば、日本国内にある財産にのみ相続税が課税されます。

また、親が「外国人被相続人」の場合、子が日本人(日本国籍あり)であっても、10年以内に日本国内に住所がない場合は、やはり日本国内にある財産にのみ相続税が課税されます。

最後に、親が上記の「非居住被相続人」である場合で、子も日本に住んでいない場合、子が外国人であったり、日本人でも10年以内に日本国内に住所がない場合は、やはり、日本国内にある財産にのみ相続税が課税されます。

これらの判定は過去の居住歴や国籍、在留資格などが絡み合い、非常に複雑でわかりづらいです。

そのため、ご家族に海外在住の方がいらっしゃる場合や、海外に財産をお持ちの場合は、ぜひ早めに専門家にご相談いただくことをお勧めします。

《担当:資産税部 太田 遼》

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