実践!相続税対策
前の相続人が亡くなった後に遺産が見つかった場合【実践!相続税対策】第767号

2026.10.14
おはようございます。
税理士の宮田雅世です。
相続税の申告を終えて数年が経った頃、思いがけず、亡くなった方の古い口座や資産が見つかることがあります。
通常であれば、遺産を追加して修正申告を行いますが、もし、前回の申告を行った相続人自身がすでに亡くなっていたらどうなるのでしょうか?
今回は、少し複雑な過去の申告義務の引き継ぎについてお話しします。
たとえば、以下のようなケースです。
3年前、独身の長男が死亡。相続人は母のみで、相続税申告を完了しました。
最近、その母が死亡。相続人である子たちが母の相続税申告を準備中に、3年前に亡くなった長男の預金口座を発見しました。
この場合、長男の相続財産が増えることになるため、3年前の長男の相続についても、修正申告が必要になります。
しかし、長男の相続人であった母はすでに亡くなっています。この場合は誰が申告義務を引き継ぐのでしょうか。
結論から言うと、亡くなった母の権利や義務は、母の相続人である子たちが引き継ぎます。
これを法律上「納税義務の承継」といいます。
つまり、母の代わりに子たちが、3年前の長男の相続税の修正申告書を作成し、提出および納税を行うことになります。
もう昔のことだし、相続人も亡くなったのだからそのままにできないのかと思われるかもしれません。
しかし、相続税の時効(5年)も成立していないため、税務上、修正申告が必要です。
修正申告を放置してしまうと、後から税務署の指摘を受けて加算税や延滞税が余計にかかってしまいます。
また、今回見つかった財産は、母の財産として母の相続財産に加算し、修正申告で納めた相続税は、母の債務として相続財産から控除して、相続税を計算することになります。
過去の相続人の死亡が重なるケースでは、申告期限や税金計算の組み合わせが複雑になり、自己判断で行うのは大変危険です。
申告準備中に昔の財産が出てきた、複雑な相続が重なっているなど、お困りの際は、お早めに専門家へご相談ください。
《担当:税理士 宮田 雅世》
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