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非上場株式の評価方式見直しの方向性(5)【実践!事業承継・自社株対策】第319号

非上場株式の評価方式見直しの方向性(5)【実践!事業承継・自社株対策】第319号

2026.09.24

Q:先週のメルマガ編集後記で、9月16日に第6回有識者会議が開かれるとのことでしたが、そこでは非上場株式の評価について、どのような議論がされたのでしょうか。

 

A:第6回有識者会議の資料については、公開されていますので、それに基づいて簡潔に記載します。
詳しくは、同資料を検索・ご参照ください。

まず、第6回会議の論点は2つであり、1つは新たな評価方式として検討されている「残余利益方式」の個別論点について。

もう1つは、残余利益方式では評価できない「特定の評価会社」に関する論点についてです。

今回のメルマガでは、1つめの「残余利益方式」の個別論点の一部を記載します。

 

1.残余利益方式で使用する数値は、何をベースにするか

課税の公平性の観点から、すべての企業が一定の統一基準で作成する法人税申告書に基づき、算定することとしてはどうか。

 

2.残余利益の加算期間・時価としての妥当性について
・残余利益モデルにおける資産の獲得能力は、将来期間の当期純利益の予測値から算定する。
・ただし、将来の無期限期間の当期純利益を予測することは極めて困難。

↓

・加算する期間は現実的な予測期間として「5年程度」としてはどうか。
・将来予測利益の計算は、恣意的な予測値ではなく、課税時期前5年の法人の正常利益から算出してはどうか。

 

3.現在検討されている「残余利益方式」で、還元率(株主が通常期待する収益率)を8%として、試算した結果が示されています。

それによると大会社の評価額は、しんしゃく率0.7で現行より約50%高くなる。しんしゃく率を0.8にすると約70%も高くなることになります。

※しんしゃく率とは、評価の安全性を考慮して、一定割合を乗じる(評価減する)ものです。

 

一方、小会社については、しんしゃく率0.7で約30%評価額が下がり、しんしゃく率0.8でも約20%評価が下がります。

また、評価額が上がる会社の割合は、大会社で約70%、中会社で約50%、小会社で約20%と試算されています。

大会社に厳しく、小会社には優しい評価方式ということになります。

 

残余利益方式を採用する場合の、帳簿価額や利益の調整については、来週、解説します。

《担当:税理士 北岡 修一》

編集後記

非上場会社の株式評価がまったく変わってしまうということですので、検討すべきことはいろいろありますね。
ただ、すべての問題がこれで解決されるわけではないですから、たとえば、事業承継などについては、やはり別途事業承継税制を効果的かつ使いやすくする改正も併せて検討していかないといけないですね。こちらの検討も別途進めているようです。

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