実践!事業承継・自社株対策
日経平均高値圏での「類似業種比準価額」高騰リスクと対策【実践!事業承継・自社株対策】第298号

2026.04.30
Q:最近、日経平均株価が史上最高値を更新するなど、株式市場が非常に活況です。一方、当社の業績自体はここ数年横ばいです。
今年、後継者である長男へまとまった株式の贈与を考えていたのですが、上場企業でもない当社の株価が、日経平均につられて上がるものなのでしょうか。
来年になったら、日経平均も少し落ち着くかもしれないので、少し贈与を遅らせようか迷っています。
なお、当社は、類似業種比準価額により評価する会社です。
A:結論から申し上げますと、御社のような非上場企業であっても、日経平均などの株式相場の高騰によって自社株の評価額が急激に跳ね上がるリスクは十分にあります。
贈与を実行する際は、時価を正確に把握したうえで、評価にあたっては、最も有利な時期ないし月を戦略的に選択することが不可欠です。
「類似業種比準方式」では、御社と事業内容が似ている上場企業の「平均株価」「配当」「利益」「純資産」の4要素をベースに株価を算定します。
つまり、御社の業績(利益や純資産)に変化がなくても、ベースとなる上場企業の「平均株価」がマクロ要因で高騰していれば、それに引きずられて御社の株価も自動的に上昇してしまうメカニズムになっています。
対策としては、類似業種比準価額における「株価の選択肢」を最大限に活用することです。
評価のベースとなる上場企業の株価は、以下の5つの中から最も低いものを採用することが認められています。
1.課税時期(贈与の月)の平均
2.前月の平均
3.前々月の平均
4.前年の平均
5.前々年の平均(課税時期前2年間平均)
現在のように直近の株価が急激に上昇している局面では、直近の月ではなく「4.前年平均」や「5.前々年平均」を採用することで、足元の株価高騰の影響を大きく回避できる可能性があります。
株価が低い前年や前々年平均を選択できることを考えれば、計画どおり今年贈与された方が、来年贈与されるよりも有利となる可能性が高いと考えられます。
《担当:税理士 青木 智美》
編集後記
新年度の慌ただしさも一段落し、少し息をつける季節となりました。
最近は物価高や金利の動きなど、実体経済への影響が徐々に表れてきている印象を受けます。
先行きは見通しにくいですが、実務においても引続き柔軟な対応が求められそうです。
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