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実践!相続税対策

介護してくれた子に多くの財産を残すには【実践!相続税対策】第769号

介護してくれた子に多くの財産を残すには【実践!相続税対策】第769号

2026.10.28

おはようございます。
税理士の北岡修一です。

 

介護してくれた子に財産を多く残したい場合、どうしておいたらよいか、という質問を受けることがあります。

たとえば、長男は遠方に住んでいて介護にはほとんど関わらず、近くに住む長女が長年に渡って通院の付き添いや、日常生活の世話をしてきたようなケースです。

親としては、苦労をかけた長女に財産を多く残してあげたいと思うのは自然なことです。

しかし、相続の際に何の対策もしていなければ、原則として子どもたちの法定相続分は平等です。

では、介護してくれた子に多く財産を残すには、どのような方法があるのでしょうか。

第1に考えられるのは、遺言書の作成です。

たとえば、子どもが長男と長女の2人であれば、「長女に財産の2/3、長男に1/3を相続させる」という遺言書を作成することができます。

ただし、遺留分を考慮した財産配分が重要です。
上記の例であれば、長男に1/4の遺留分があります。

第2に、生前贈与によって財産を移転することが考えられます。

介護してくれている子に対して、生前から現金などを贈与しておく方法です。

ただし、相続税の生前贈与加算(3年から徐々に7年まで延長)や、他の相続人との間の特別受益の問題にも注意が必要です。

第3に、生命保険を活用する方法があります。
介護してくれた子を、死亡保険金の受取人に指定しておく方法です。

死亡保険金は、原則として遺産分割の対象にならず、指定された受取人が取得できます。

また、相続人が受け取る死亡保険金には「500万円×法定相続人の数」の相続税の非課税枠がありますので、その適用を受けることもできます。

最後に、寄与分という制度もあります。

被相続人の療養看護などによって、その財産の維持・増加に特別の貢献をした相続人には、寄与分が認められる場合があります。

しかし、通常の親族間の扶養や介護だけでは認められにくく、寄与分の金額について相続人間で争いになることもあります。

介護したという事実だけで、当然に多くの財産を取得できるわけではありません。

このように、介護してくれた子に財産を多く残す方法はいくつかありますが、重要なのは、親が元気なうちに自分の意思を明確にしておくことです。

単に財産の配分を決めるだけでなく、「なぜ長女に多く残したいのか」という理由を、遺言の付言事項などに記しておくことも、他の相続人の理解を得る上で有効です。

 

《担当:税理士 北岡 修一》

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