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実践!相続税対策

外貨建ての財産がある際の相続税評価【実践!相続税対策】第764号

外貨建ての財産がある際の相続税評価【実践!相続税対策】第764号

2026.09.23

皆様、おはようございます。
資産税部の太田遼です。

本日は、外貨預金や外国株式など、「外貨建ての財産」をお持ちの方が亡くなられた場合の、相続税評価の基本と注意点についてお話しいたします。

 
近年、資産運用の多様化に伴い、外貨預金をはじめ、海外の株式や債券などを保有されている方が非常に増えています。

これらの外貨建て財産も当然に相続税の対象となりますが、日本の相続税申告においては、すべて「日本円」に換算して評価額を計算する必要があります。

 
では、いつの時点の、どの為替レートを使って円換算するのでしょうか。

原則として、換算に用いるのは「被相続人が亡くなった日(相続開始日)」の為替レートとなります。
 

さらに為替レートにはいくつか種類がありますが、相続財産の評価においては「TTB(対顧客直物電信買相場)」を使用します。

これは、金融機関が顧客から外貨を買い取って円に交換する際(顧客側から見れば、手持ちの外貨を円に換える際)のレートです。

相続財産を現金化(円転)したらいくらになるか、という実態に合わせるため、このTTBを採用することになっています。
 

それでは、もし、亡くなった日が土日や祝日などで、金融機関が休みであり、為替レートの公表がない場合はどうなるのでしょうか。

この場合は、亡くなった日に最も近い「前の営業日」のTTBを採用して計算することになります。亡くなった日の「後」の営業日ではない点にご注意ください。

 
具体的な評価の仕方ですが、外貨預金であれば、亡くなった日の外貨残高に、亡くなった日のTTBを掛けて円換算します(定期預金の場合は既経過利息も外貨で計算した後に円換算します)。

また、外国株式の場合は、まず現地通貨建てでの株式の評価額(最終価格など)を算出し、そこに同じくTTBを掛けて日本円に直すことになります。

 
もう一つ、海外に不動産や銀行口座などの財産をお持ちの場合の重要な注意点として、「二重課税」の問題があります。

財産の所在する国によっては、その国の法律により相続税(遺産税など)が課税されるケースがあります。

日本の相続税も課税されると、二重課税になってしまうため、これを調整する「外国税額控除」という制度が設けられています。

 
このように、外貨建て財産の相続税評価は、適用する為替レートの確認から現地税制への対応まで、国内財産よりも確認事項が多く、非常に複雑になります。

ご自身やご家族の財産に外貨建てのものがある場合は、申告漏れや計算ミスを防ぐためにも、ぜひ専門家へご相談いただければと思います。

《担当:資産税部 太田 遼》

編集後記

9月も終盤となり、朝晩は大分涼しい風が感じられるようになってまいりました。とはいえ、日中はまだまだ暑い日も多いですね。

先日、秋の味覚であるサンマを今年初めていただき、食卓から季節の移ろいを感じております。

季節の変わり目は残暑の疲れが出やすく、体調を崩しやすい時期でもありますので、皆様もくれぐれもご自愛くださいませ。

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