実践!相続税対策
遺言書を書いておいた方がよい場合【実践!相続税対策】第765号

2026.09.30
おはようございます。
税理士の北岡修一です。
相続対策等において遺言書を書いた方がよい、という話はよく聞かれるかと思います。
特に遺産相続でもめないために、必要だということです。最近の相続では、遺言書があるケースが多くなってきているように感じます。
ただ、遺言書があっても、その内容が不平等で争いになるケースも結構あります。
ご存じのように相続人には遺留分(最低限相続できる権利)がありますので、それを侵害してしまうと遺留分侵害額請求をされてしまう可能性があります。
遺言書を書く場合は、そうならないように注意する必要がありますね。
遺言書を書くか書かないかは自由ですが、遺言書を書いておいた方がよいケースはいくつかあります。
まず、すぐ思いつくのは、子がいない場合です。
配偶者は常に相続人になりますが、子がいない場合は、第2順位として親が入ってきます。
ただし、親は既に亡くなっていることが多いですから、そうなると第3順位として兄弟姉妹が入ってきます。
配偶者と亡くなった方の兄弟姉妹が相続人となります。想像しただけで問題が起こりそうな気がしてきますね。
兄弟姉妹が亡くなっている場合はその子ども、すなわち甥や姪が相続人に入ってきます。
配偶者と兄弟姉妹、さらに一部甥や姪が入ってきて、益々やっかいな問題が起こりそうになってきます。
子がいない場合、自分が亡くなったときは、財産はすべて配偶者に渡したい、というのが普通でしょうから、その場合には遺言を書いておかないと、そうならないのです。
兄弟姉妹や甥姪には、遺留分はありませんから、すべての財産を配偶者に相続させると、遺言に書いておけば何の問題もありません。
さらに、遺言書を書いておきたいケースは、分割できない、あるいは分割しない方がよい財産しかない場合です。
その代表的な財産は、自宅と自社株です。
主な財産が自宅しかない場合は、自宅はやはりそこに同居している人、あるいはこれから住む人だけの名義にすべきです。
自宅を住まない人と共有にすると、後々必ず問題になりますし、遺言がない場合は、売却して現金で分けて欲しいという要求が出てくることにもなりかねません。
自社株の場合は、できるだけ生前に対策を取っておくことが望ましいですが、経営している間はある程度株式を持っておくことも必要です。
自社株が後継者以外に相続され、後継者と兄弟仲が悪かったりすると、会社経営に影響を及ぼしてしまいかねません。
やはり自社株は後継者に相続させるよう、遺言があった方がよいですね。
また、相続人以外の人に財産を渡したい場合も、遺言が必要です。よくあるのは子の配偶者です。
息子が先に亡くなってしまった場合など、その後、自分の面倒をよくみてくれた息子の妻に、財産を相続させたいということがあります。
息子の妻は相続人ではありませんので、そのような場合には、遺言が必要になってきます。
さらに、配偶者の連れ子は、実子同様に一緒に暮らしてきたとしても、相続人ではありませんので、そのままでは財産を相続することはできません。
この場合には養子にするか、遺言に記載するかしなければなりません。
配偶者の連れ子以外に子がいない場合に、何もしていないと、兄弟姉妹や甥姪に財産がいってしまいます。
自分が亡くなった後、自分の財産はどのようになるだろう、ということを、よくよく考えてみて、問題がありそうであれば、是非、遺言書を書くことをお奨めします。
《担当:税理士 北岡 修一》
編集後記
あっという間に9月も最終日になりました。それにしても雨が多い9月でしたね。雨の日の連続が過去最高を更新しているとか。10月は是非、気持ちのいい秋になって欲しいと思いますね。
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