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実践!相続税対策

賃貸経営の法人化【実践!相続税対策】第622号

賃貸経営の法人化【実践!相続税対策】第622号

2023.11.29

皆様、こんにちは。
税理士の北岡修一です。

先日、不動産賃貸経営の法人化についてご相談を受けました。

まず、賃貸収入がいくら以上なら法人化を検討した方が良いのか、ということでした。

対象者の他の所得や、所得控除の状況にもよるかと思いますが、概ね年間1,500万円を超えたら、法人化を検討しても良いかと考えています。

これは、個人は累進税率、法人は年間所得800万円のラインで変わりますが、基本的には固定税率になっていることから、どちらが税務的に有利か、ということです。

法人の所得が800万円までは税率が低い、というのも肝になってきます。

その辺りを考慮すると、1,500万円くらいの収入が境かと、以前にシミュレーションしたことがあります。

法人化する場合は、建物のみを法人に移す方法が多く採られています。

土地も法人に移すと、金額が大きくなること、土地の含み益が実現してしまい、それに譲渡所得税がかかってくること、個人に多額のお金が入り相続税対策にならないこと、などから、建物のみにすることが多くなっています。

この場合は、建物は簿価(未償却残高)で法人に譲渡するため、譲渡所得税はかかりません。

したがって、築年数が古ければ、簿価が低くなっていますので、法人に移しやすいということになります。

なお、個人が消費税の納税義務者である場合は、建物譲渡に消費税がかかってきますので、この点は要注意です。

納税義務者になっているケースは、店舗やオフィスなどを賃貸していて、その年間収入が1,000万円を超えているような場合です。

アパートやマンションなどの賃貸で、居住用がメインであれば、消費税の納税義務者になっていることはあまりないかと思います。

その他に、登録免許税や司法書士手数料、や不動産取得税などはかかりますので、その費用を見ておく必要はあります。

また、建物に借入金の残高がある場合は、法人で借入れをして、個人の借入金は返済することになります。

この点は銀行との打ち合わせを事前にしっかり行っておく必要があります。

借入金がなければ、法人化はさらにやりやすい、ということになります。

以上により、建物は法人が所有し、土地は個人が所有することになります。

したがって、法人は個人から土地を借りることになり、土地の賃貸借契約を締結することになります。

地代は賃貸借になるように適正に決めておいた方がよいでしょう。

また、借地権の問題が発生してきます。法人は建物を所有しているので借地権があることになりますが、建物代金しか払っていません。

そのままにしておくと、法人に借地権の贈与があったこととみなされ、借地権の受贈益に対して認定課税が行われてしまう可能性があります。

これをクリアする方法としてよく使われるのは「土地の無償返還に関する届出書」を税務署に届け出るという方法です。

これは、将来借主から無償で土地の返還を受けるので、借地権の認定課税は見合わせてください、という届出です。

この場合において、土地の相続税評価はどうなるのか、という問題があります。

税務上、法人で借地権を認識しないので個人が所有する土地は、本来自用地評価となります。

すなわち、貸家建付地の評価減はないということです。

ただ、実際には賃貸借契約により個人は土地を自由に使用することはできないため、相続税評価においては20%評価減することができます。

また、小規模宅地特例の評価減の対象にもなります。

その後は、法人は賃貸料収入の中で、役員報酬を取ったり、法人としての事業活動に経費を有効に使うことができます。

なお、法人を設立する際には、その株主は相続税対策も考え、できるだけ親世代ではなく、次世代の者がなる方が良いかと思います。

親世代が株式を持っていると、せっかく法人化したのに、株式の評価額が上がって、それに相続税がかかってくることになるからです。

《担当:税理士 北岡 修一》

編集後記

今日は遅くなってしまいました。朝から会議他が目白押しで今の時間にようやく書くことができました。
今日の法人化の件は、時間がたてばたつほど効果が出てくると思いますね。結構法人にお金も貯まってきたりして、新たな事業も行おうか、となってくると法人を作った意義もさらに高まってくるように思います。

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