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不動産 税金相談室

不動産所得における事業的規模の判断【不動産・税金相談室】

不動産所得における事業的規模の判断【不動産・税金相談室】

2023.03.10

Q 私は自宅の隣にあるアパート賃貸により、生計を立てています。
アパートは8部屋で、年間収入は960万円程度になります。
不動産所得の確定申告をするにあたって、事業的規模であれば65万円の青色申告特別控除が取れるとのことですが、いわゆる5棟10室基準を満たしておりません。
この場合、事業的規模での申告は、やはりできないのでしょうか?

A 不動産所得の確定申告に際して、その賃貸業が事業的規模である場合には、次の取り扱いを受けることができます。

1.青色申告特別控除が65万円となる(事業的規模でない場合は10万円)
ただし、電子申告等をする必要があります。

2.青色事業専従者給与を支払うことができる

3.資産損失(建物取壊し費用等)を全額必要経費にできる

4.貸倒損失、貸倒引当金を計上できる

特に1番と2番が大きな違いとなってきます。

事業的規模であるかどうかの判断において、5棟10室基準(戸建であれば5棟、アパートやマンションであれば10室、その組み合わせも可)というものがあります。この基準を満たせば、事業的規模である、ということです。

ただし、これはあくまでも形式的な基準に過ぎません。
本来はあくまでも実質的に判断すべきです。

この実質判断については通達において、社会通念上事業と称するに至る程度の規模で建物の貸付けを行っているかどうかにより判定すべき、とされています。

たとえば、営利性や有償性、継続性はあるか、自己の危険と計算において事業を遂行しているか、事業に費やす労力や生活状況等も勘案することになります。

また、過去の否認事例などを見ると、同族会社に賃貸している場合や、専従者が特に何もせず給与を支給している場合、賃料は高いが貸付先が1つしかない場合などが、否認されています。

節税を目的として、事業的規模を利用しているような場合が否認されているとも言えます。

社会通念上というのは、なかなか判断が難しいとも言えますが、ご質問者の賃貸事業が上記の実質判断に照らして、第三者から見ても事業と言えるものかどうか、冷静に判断いただければと思います。

この場合には、第三者であり専門家でもある税理士に、事業の状況を詳細に説明の上、ご相談されるのが良いかと思います。

                      

《担当:税理士 北岡 修一》

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