実践!相続税対策
名義預金と配偶者の税額軽減【実践!相続税対策】第759号

2026.08.19
おはようございます。
税理士の北岡修一です。
相続税の計算において、配偶者にはできるだけ税金にがかからないよう優遇されています。
被相続人の財産は、配偶者と共に形成されてきたものであること、また、配偶者の今後の生活を保障するという意味でも優遇されているわけです。
具体的には、配偶者の法定相続分、あるいは1億6,000万円のいずれか大きい金額までは、相続税がかからないことになっています。
これを配偶者の税額軽減といいます。
最も一般的な配偶者と子が相続人である場合、配偶者の法定相続分は1/2ですので、相続財産の1/2か、それを超えても、1億6,000万円まで配偶者が相続しても配偶者に相続税はかかりません。
ただし、配偶者があまり多く相続すると、二次相続の相続税が急激に高くなる、ということはありますが。
このように配偶者の相続税は優遇されているわけですが、この配偶者の税額軽減が使えなくなってしまうことがあります。
それは仮装隠蔽があった場合です。
故意に財産を隠して申告しなかったとか、被相続人の生前に不当に財産を配偶者に移してきた、などです。
名義預金などもこれに該当してしまう可能性があります。
名義預金とは、本来の預金の持ち主と、名義が異なっている預金です。
本来は夫の財産であるにもかかわらず、妻の名義になっているような預金です。
妻はずっと専業主婦であったにもかかわらず、億を超るような預金を持っていたとしたら、やはり名義預金が疑われます。
もちろん、その預金が妻の親からの相続であったり、夫から生前贈与を受けて申告していたものであれば、名義預金にはなりません。
そのような出所がわからない預金、あるいは夫から移っていることが明確な預金は、名義預金として夫の財産になり、相続税が課される可能性があります。
ただ、配偶者の税額軽減の範囲内であれば、名義預金として相続財産となったとしても、実際には相続税はかかってきません。
ただし、相続税申告後の税務調査などで、名義預金が認定され、それが仮装隠蔽であったとされた場合は、
重加算税が課されるとともに、その仮装隠蔽をした名義預金については、配偶者の税額軽減が認められないことになります。
名義預金であっても、相続財産として申告をしていれば、配偶者の税額軽減により相続税を支払う必要がなかたにもかかわらず、名義預金にして申告しなかったばかりに、多額の税金を支払うことになってしまいます。
相続税の申告実務をしていると、この名義預金というのはとても多いと感じます。
税務署も名義預金の有無を把握するのが、税務調査の最大の課題であったりします。
これは名義預金だと思われるものは、相続税の申告の際には明らかにして、配偶者の名義であったとしても相続財産として申告をすることはできますので、是非、そのようにしていただければと思います。
《担当:税理士 北岡 修一》
編集後記
お盆休み、夏休みが終わり、仕事に復帰してきている方も多いのではないでしょうか。多少暑さがやわらいでいるので、この点は今年は助かりますね。
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