実践!相続税対策
法定相続人の数に含める養子の数【実践!相続税対策】第755号

2026.07.22
おはようございます。
税理士の北岡修一です。
相続税対策などでは、よく孫などを養子にして法定相続人の数を増やし、相続税額を減らすことが行われたりします。
孫以外には子の配偶者を養子にすることなどもありますね。
この場合、相続税の計算上、法定相続人の数に入れられる養子の数には制限がある、ことをご存じの方は多いかと思います。
実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合は2人まで、となっています。
この制限がないと、形だけの養子をたくさん入れることで、相続税を大きく減らすことができてしまうからです。
ところが、養子であっても、実子扱いにすることがあることは、意外と知られていないのではないでしょうか。
次の養子は、実子扱いとなり、上記の養子の数の制限にはカウントしません。
1.特別養子縁組により養子となっている人
2.配偶者の連れ子で養子となっている人
3、4は省略
特別養子縁組とは、何らかの事情で生みの親が育てられない子どもを、家庭裁判所の審判により戸籍上も実の親子とする公的な制度です。
生みの親との法的な親子関係を完全に解消し、養親(育ての親)と新たな親子関係を結ぶものです。
特別養子縁組はなかなかないかも知れませんが、2つ目の配偶者の連れ子はよくあるケースです。
配偶者の連れ子は、そのままでは法定相続人にはなりません。
法律上の親子関係(直系血族)がないためです。
法定相続人にするためには、養子縁組をする必要があります。
配偶者の連れ子を養子にした場合は、相続税の計算上、実子扱いとなります。
たとえば、再婚相手との間に1人子がいたとします。
さらに再婚相手に連れ子がいて、養子にしたとします。
その上で、孫を養子にした場合、子は3人となります。
内、2人は養子です。再婚相手との間に実子がいますので、本来であれば法定相続人の数に入れられる養子は1人だけです。
ただ、配偶者の連れ子の養子は実子扱いになりますので、上記の場合、3人とも法定相続人の数に含めることができる、ということです。
法定相続人の数を間違えると、かなり相続税の額に影響を与えます。
法定相続人の数は、基礎控除額の計算(1人600万円)、生命保険金の非課税(1人500万円)、死亡退職金の非課税(1人500万円)、そして相続税の総額の計算(人数が増えれば税率が下がる)に影響します。
1人違うだけで1,000万円以上税額が違ってくることもあります。
法定相続人の数に含める養子の数には、是非、注意をしていただければと思います。
《担当:税理士 北岡 修一》
編集後記
本日の話は相続税の計算上の話です。
民法上は養子の数に制限はありませんので、そこは勘違いのないようにしてください。
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