実践!相続税対策
未分割の場合の相続税申告【実践!相続税対策】第740号

2026.04.08
おはようございます。
税理士の宮田雅世です。
相続税の申告は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内に行う必要があります。
ただし、申告期限までに遺産分割がまとまらないことも少なくありません。
今回は、相続税の申告期限までに未分割であることのデメリットについてみていきます。
まず、遺産分割が終わっていなくても、相続税の申告が不要になるわけではありません。
「分け方が決まってから申告すればよい」と思われがちですが、未分割でも申告期限までに申告は必要です。
未分割のまま申告すると、本来使えるはずの特例が使えなくなり、いったん相続税を多めに納めることになります。
その代表的なものの1つが、配偶者の税額軽減です。
これは、配偶者が取得した遺産については、一定額まで相続税がかからないという制度です。
ただし、この特例は「配偶者が実際にどの財産を取得したか」が、決まっていることが前提です。
そのため、申告期限までに未分割のままだと、当初の申告では配偶者の税額軽減を適用することができません。
もう1つ大きいのが、小規模宅地等の特例です。
これは、亡くなった方の自宅の敷地や事業用の土地などについて、相続税評価額を大きく減額できる制度です。
土地の評価額が下がれば、相続税額も大きく減ることになります。
ただし、この特例も原則として申告期限までに分割が済んでいることが必要です。
そのため、未分割のままではこの特例も使えず、税額面で不利になることがあります。
ただ、申告期限までに分割が間に合わない場合でも、3年以内に分割できる見込みであれば、救済の制度があります。
そのためには、相続税の申告書に 「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付して提出しておきます。
その上で、3年以内に分割がまとまれば、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を後から受けることができます。
分割が成立した日の翌日から4か月以内に、更正の請求を行うことにより、それが可能となります。
相続税の申告では、申告そのものだけでなく、申告期限までに分割できているかどうかが、重要です。
未分割のままでも申告はできますが、上記のような特例が使えず、結果として不利になることがあります。
相続税の申告が必要になりそうな場合には、遺産分割協議も含めて、早めに専門家へご相談ください。
《担当:税理士 宮田 雅世》
編集後記
今年は桜が咲いたと思ったら、雨が降りゆっくり眺める間もなく散ってしまいそうです。
満開の時期が短いからこそ、春の景色はより特別に感じます。
来年こそは、青空の下でゆっくりお花見を楽しみたいものです。
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