実践!事業承継・自社株対策
賃貸不動産の贈与注意点【実践!事業承継・自社株対策】第294号

2026.04.02
Q:父親の不動産賃貸業の承継にあたり、賃貸不動産(アパート)の贈与を受ける予定です。
贈与税に関しては、土地建物の相続税評価額が、相続時精算課税の2,500万円特別控除額の範囲内で収まるので、これを適用する予定です。
所有権移転登記や家賃振込み口座の変更なども行っていきます。その他何か注意する点はありますでしょうか?
A:一点、気になるのはアパートの入居者から預かっている敷金の件です。
入居者が退去したときの敷金の返還を、ご質問者が負担して行うことになると、この贈与は負担付き贈与ということになります。
負担付き贈与になった場合は、贈与税の計算に用いられる評価額は、時価で行わなければなりません。
賃貸不動産の土地建物の時価から、負担する敷金の合計額を控除した金額が、贈与税の課税対象となってきます。
これは、敷金相当額で賃貸不動産を購入したものとみなされるため、著しく低い対価の額で不動産を購入したことになり、その差額に贈与税が課されるためです。
また、贈与した父親の方も不動産を譲渡したものとされますが、譲渡収入は敷金の額となり低額であるため、譲渡損となる可能性が高いかと思われます。
なお、この譲渡損は、敷金が時価の1/2未満の場合には、なかったものとされます。
この負担付き贈与の課税を避けるためには、賃貸不動産の贈与と共に、敷金分の現金をお父様からご質問者様に、併せて贈与しておくことが肝要です。
この贈与をしておけば、負担付き贈与にはならず、通常の相続税評価で土地建物を評価することができます。
その他、注意すべき点としては、不動産の贈与の場合には、不動産取得税がかかってくるということです。
相続の場合には不動産取得税はかかりませんが、贈与の場合にはかかる、それもかなり後に来る可能性もありますので、頭に入れておく必要があります。
《担当:税理士 北岡 修一》
編集後記
4月になりました。2026年度の税制改正法案も3月末ギリギリに参議院で可決成立したようですね。税制以外にも4月からいろいろ変わったこともありますので、是非、チェックしておきましょう。
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