実践!相続税対策
消費税課税事業者の相続があった場合【実践!相続税対策】第738号

2026.03.25
おはようございます。
税理士の北岡修一です。
個人事業者で消費税の納税義務者であった方が、亡くなられた場合には、相続の手続きが少し複雑になります。
コンサルタントなど個人の能力で個人事業をやっていた場合には、その事業を相続することはあまりないかと思います。
小売店や飲食店などを個人事業でやっている場合は、それを事業承継することはあるかも知れません。
最も多いのは不動産賃貸業で、オフィスや店舗などとして賃貸している場合です。
これらの場合には消費税の課税対象となり、また、それなりに家賃が高いことも多いため、年間1,000万円を超えて消費税の納税義務者になっていることが多いです。
また、テナントからの要請により、インボイス発行事業者となっている方も多いかと思います。
これらの事業をしていて、消費税を払っていた方の相続が発生した場合には、通常の手続きの他、増える手続きがあります。
まず、相続した方の消費税の納税義務を判定しなければなりません。
相続があった年については、基準期間(前々年)における被相続人の課税売上高が、1,000万円を超えるかどうかで、判定します。
1,000万円を超える場合は、その事業を承継した相続人は、相続があった日の翌日からその年の12月31日までの間の消費税を申告納付する必要があります。
相続があった年の翌年または翌々年については、その年の基準期間(前々年)における被相続人の課税売上高と、相続人がもし事業をしていた場合には、その課税売上高を足して1,000万円を超えるかどうかを判定します。
なお、被相続人が簡易課税を選択していたとしても、相続人はそれを引き継ぐことはできません。
相続人が新たに簡易課税の選択届を出さなければなりません。
その届出期限は、相続があった年の12月31日までとなっており、この日までに提出すれば、相続年から簡易課税を適用することができます。
(12月に相続があった場合は、特例承認申請書を翌年2月末までに提出することにより、適用を受けることができます。)
亡くなられた方がインボイス発行事業者であった場合は、相続人は「適格請求書発行事業者の死亡届出書」を提出する必要があります。
その上で、相続人はインボイス発行事業者になるためには、「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出しなければなりません。
ただし、被相続人が亡くなられてから4か月以内は、被相続人の登録番号を記載したインボイスを発行することができます。
その他にも青色申告の承認申請書の提出などもありますので、亡くなられた方が事業をしていて場合には、様々なことに注意しておく必要がありますね。
《担当:税理士 北岡 修一》
編集後記
大分桜も満開に近づいてきました。昨日は母校の大学に行っておりましたが、桜の咲く中、何学部かの卒業式が華やかに行われていました。
正門の卒業式の立て看板の前では、写真を撮る長い行列が両側にできていて、すごい賑わいでした。天気も良く、皆笑顔が輝いていましたね。本当におめでとう!という感じですね。
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