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無償返還届が出されている場合の株式評価【実践!事業承継・自社株対策】第201号

無償返還届が出されている場合の株式評価【実践!事業承継・自社株対策】第201号

2024.05.30

Q 私が所有する土地に、私ども家族で経営する同族会社がアパートを建て、賃貸経営をしております。

私と同族会社との土地賃貸借契約では、将来土地を無償で返還する定めを設けており、連名で無償返還届を税務署に提出しております。

地代は、土地の固定資産税等の3倍程度の額を同族会社から私に支払っております。

この場合、同族会社は借地権を持たないものと思いますが、株式評価への影響は、どのようになりますか?

A ご質問の場合、まず個人の持つ土地(貸宅地)の評価ですが、将来土地が無償で返還されることから、通常の貸宅地評価ではなく、自用地評価が原則となります。

ただし、無償返還といえども、借地借家法等の制約を受けるため、自用地評価額から借地権相当額として20%を控除することとなっています。

次に、土地を借り受けている同族会社の株式評価ですが、ご質問者の持つ株式評価においては、上記借地権相当額20%を、純資産価額に加算することになっています。

個人の土地評価では20%を控除しますが、法人の株式評価でその20%を加算することにより、個人法人を通じて土地の評価を100%反映している、ということになります。

なお、ご質問のように法人の所有する建物が賃貸されている場合は、加算する20%から借家人の持つ権利相当分30%を控除します。具体的には次のようになります。

●株式評価に加算する額=自用地評価額×20%×(1-30%×賃貸割合)

なお、土地所有者であるご質問者以外の方の株式評価に際しては、借地権相当額20%を加算する必要はありません。

《担当:税理士 北岡 修一 》

編集後記

個人が持つ土地に、会社が建物を建てているケースは多いですね。
その場合は、上記のように無償返還届を出すことになります。
賃貸物件などはそれでもいいですが、自宅を同族会社が所有するのは良くないですね。会社が建物を持っていると居住用の小規模宅地特例(330m2まで80%評価減)が使えなくなってしまいます。
相続税対策を考えるなら、自宅はなるべく広く、個人で持つのがいいですね。

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