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令和8年分の類似業種比準価額の数値公表【実践!事業承継・自社株対策】第306号

令和8年分の類似業種比準価額の数値公表【実践!事業承継・自社株対策】第306号

2026.06.25

Q:当社は製造業を営んでおります。先日、令和8年分の類似業種比準価額の数値が国税庁から公表されたと聞きました。

ここ数か月、日経平均株価の上昇やインフレがニュースになっていますが、過去の公表数値の推移と比べて、今年の類似業種の数値にはどのような特徴がありますか。

また、当社の株価評価や後継者への贈与のタイミングにどう影響するでしょうか。

 

A:令和8年6月に公表された最新の類似業種比準価額の数値は、過去数年間の「上場企業の好業績・株価高騰」を反映し、全体として多くの業種で株価や利益要素が、一段と上昇しています。

これにより、自社の業績が横ばいであっても、類似業種の数値の変動だけで、自社株の評価額が過去と比べて大きく変わる可能性があります。

今回公表された令和8年分の数値(2月分まで)を見ると、製造業や情報通信業、不動産業などの主要業種において、株価だけでなく、1株当たりの「利益金額」や「純資産価額」も過去最高水準に達しています。

ここでご注意いただきたいのが、類似業種比準価額の計算のしくみです。

自社の株価は、上場企業(類似業種)の株価に「自社と上場会社の配当・利益・純資産の対比率(魅力度)」を乗じて計算します。

つまり、上場会社側の利益や純資産が大きく膨らんでいるため、もし貴社の利益が伸び悩んでいる場合は、上場会社との対比において、貴社の「魅力度」は下がったことになります。

その結果、類似業種の株価自体は上がっていても、貴社の株価評価は下がるという、意外な現象が起こる可能性があります。

逆に、本業が非常に絶好調で利益が急増している会社は、類似業種の株価高騰の波をダイレクトに受け、自社の株価評価が、過去にないほど跳ね上がるリスクがあります。

ここで注意しなければならないのは、この最新数値を織り込まずに「過去のイメージ」や、「前年の概算株価」のままで、安易に自社株売買や、後継者への贈与を実行してしまうことです。

特に近年は、富裕層や同族会社に対する国税当局のチェックの目が非常に厳しくなっています。

特例事業承継税制の適用期限(令和9年12月末)まで残り1年半に迫る今、令和8年の最新の公表数値を基に、まずは自社の「現在の本当の株価」を正しく計算し直すことが、事業承継のスタートラインとなります。

《担当: 税理士 青木 智美》

編集後記

6月も下旬を迎え、東京は梅雨特有のジメジメとした蒸し暑い日が続いております。新宿のビル群を歩くだけでも、まとわりつくような湿気に少々閉口してしまいますね。

さて、先週公表された最新の類似業種比準価額ですが、上場企業の株価の動きにハラハラしながら電卓を叩くのが、我々税理士のこの時期の「風物詩」でもあります。

このインフレや株高が自社の評価にどう影響しているか、本格的な夏が来る前に、ぜひ一度会社の「健康診断」ならぬ「株価診断」をしてみてはいかがでしょうか。

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