自宅を買換えた場合の損益通算・繰越控除【不動産・税金相談室】

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Q 昨年、仕事の都合で地方から東京に転居してきました。
10年前に地方に買った戸建の自宅を売却して、都内近郊のマンションを購入し、現在住んでいます。

売却した戸建の住まいは買った時よりも値下がりし、売却損が出ています。
購入したマンションについては、15年のローンを組んでいます。税金で何か特例があれば、教えてください。

A 不動産の売却損については、他の所得と損益通算したり損失を翌年に繰越す(繰越控除)ことはできません。

ただし、一定の要件を満たす居住用不動産(自宅)の場合には、損益通算および繰越控除の適用を受けることができます。

この特例は、令和3年12月末日までの間に、自宅を売却して損失を出し、売却した年の翌年12月末日までに、新しい自宅を購入した場合です。主な一定の要件とは、次のとおりです。

1.譲渡物件の所有期間が、譲渡年の1月1日において5年を超えていること

2.住まなくなってから3年を経過する日の年末までに譲渡していること

3.親族その他特殊関係のある個人、法人以外に譲渡していること

4.買換え物件は、居住部分の面積が 50m2以上であること

5.買換え物件は、償還期間が10年以上の住宅ローンがあること

6.繰越控除は、所得金額が 3,000万円以下の年分のみ可能

ご質問の内容から上記のすべての要件は確認できませんが、概ね要件に該当するものと思われます。

損益通算については、譲渡損失を、給与所得や不動産所得など他の所得から控除することができます。

それにより、給与から控除されていた源泉所得税などの還付を受けることができます。

また、新しい自宅の住宅ローン控除と併用することもできます。

譲渡損失が他の所得から控除しきれない場合は、その控除しきれない金額を翌年以降3年間に渡って繰越すことができます。

翌年に繰越した損失は、翌年の事業所得や給与所得から控除することができます。

この特例は、確定申告の期限内申告が要件とされていますが、新型コロナウイルス感染症に対する対応により、申告期限が変わることが想定されていますので、ご留意ください。

《担当:稲吉》

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