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実践!社長の財務

正しい処理とは何?【実践!社長の財務】第267号

正しい処理とは何?【実践!社長の財務】第267号

2008.12.15

皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。

2009年度 与党の税制改正大綱が、12日に出ましたね。
ほぼ、事前に予想されていたとおりです。

大きなものは、過去最大の住宅ローン控除最高600万円、さらにこれは住民税からも控除できる、というのが大きいですね。

その他、ローンをしなくても税額控除が受けられる投資減税が、200年住宅の新築やバリアフリーの改修工事などに適用されます。

また、土地税制として、来年および再来年に土地等を購入して、5年超保有して譲渡した場合に、その譲渡益について1,000万円まで税金がかからない、という案が入っています。

これは、個人も法人も使える、というのが面白いですね。

また、法人については、その土地の譲渡ではなく、他の保有する土地を、10年以内に売った場合についても、80%あるいは60%の譲渡益の圧縮記帳ができる、という制度もあります。
これも、来年および再来年に土地等を購入した場合です。
 
土地取引を活性化させて、少しでも景気を刺激したいということでしょう。

中小企業支援としては、所得800万円までの軽減税率22%(本則30%)を、2年間に限って18%に下げるという支援策を出しています。

さらに、制限されていた欠損金の繰戻し還付も、中小法人に限って解禁するという改正案が入っています。

その他、また今後機会を見て解説していければと思います。

ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう。
 

正しい処理とは何?

今年も、仕事するのは、あと残り2週間となってきましたね。(もっとやる人には、すみません。)

この時期になると、私どもの仕事では、税務調査はほぼ終了しています。大体12月15日位までには、税務署の事務処理もあるので、終わりますよね。

ところが、今年は1件だけ、まだ終わっていません。

見解の相違があって、折り合いがつかないのです。もう、年越しでしょうがないな、という感じになっています。

今回のその調査については、金額が大きいので、双方とも(税務署vs会社&税理士)簡単には譲れません。

今回の件(もちろん内容は言えませんが)、については、正しい処理、決算とは、どういうものだろう、と考えさせられます。

税務署が指摘するだけあって、確かに完璧な処理ではないのです。

未決着事項のため、会社としては、様々な事実関係を鑑みて、この処理でいくのが妥当であろう、と判断して決算を行なっています。

それを入れるか、入れないかで、会社の損益は大きく変わってきます。
会計的には、それは当然、損に入れるべきものであって、会計監査を受ければ当然そうなるでしょう。

ところが税務というのは、それが確定した事実、というのが重要になってきます。まわりの事実からの認定だけでは、だめだということです。確定付ける決定的な書面や、最終的なお金の決済が伴なっていないと認めない、ということになります。

あまり難しいことを、書くつもりはありませんが、この「確定」という
概念が、実際の経営や会計と、税務では異なってくるのですね。

ですから、よく「見解の相違」ということが起こってきます。

しかし、そういうことは会社も、担当する税理士もよくわかっています。
だからこそ、会社としては慎重な処理をしています。

その案件に関する事実関係を議事録や、契約書など書面に残すことはもちろん、メールや通知の文書なども保管しています。

事前に税務署にも相談に言っています。
もちろん、税理士の意見ももらっています。

最終的には、取締役会での賛否両論を議事録に残したり、最終決定にいたるプロセスを記載しています。その上で、税務上もこれは妥当性があると、判断をしているのです。

私はこのようなプロセスは、非常に大事だと思います。
最終的な決定的な書面はないが、それが大きな問題ではあるが、有利になること、不利になること、すべての事実を開示し、
ここまで、会社が全力をあげ、手順や手続きを踏んで行なった結果行なった税務処理は、もっと尊重されていいと思っています。

会社の行為と、税務判断は違うというのは、わかった上でも今回の件は、税務行政のやり方に疑問を感じるものです。

大きな金額で、多少でも突っ込めるものは否認したい、という考えが前提の税務行政、何か視点がずれているのでは??と憤りさえ感じます。

このようなことで、やたらな時間を使うことも、会社にとっては大いなる損失です。優秀な調査官の費やす時間も国家の損失ですよね。もっと根本的な問題のあるところに時間を使って欲しい。
 
書けば書くほど長くなってしまいますので、この辺でやめたいと思いますが。

やはり会社の会計、税務は会社と税理士で、本気で真剣にやっていかないと、戦っていかないと、いけないなと、つくづく思います。

編集後記

今週の週末は、おとなしくしていました。結構、原稿書きがたくさんあったので、家にこもって必死で書いていました。
そして、昨日は我が家では早くもクリスマスパーティーをしました...これからの家族の予定が詰まっているので、昨日しかないと...結構、皆、予定があるもんだなあと思いながら、楽しくやりました!

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