東京メトロポリタン税理士法人

お問い合わせ

〒160-0023 東京都新宿区西新宿6-24-1 西新宿三井ビルディング17F

  1. HOME
  2. メールマガジン
  3. 実践!社長の財務
  4. 減価償却を意識して経営をする【実践!社長の財務】第178号

実践!社長の財務

減価償却を意識して経営をする【実践!社長の財務】第178号

減価償却を意識して経営をする【実践!社長の財務】第178号

2007.04.02

おはようございます。
税理士の北岡修一です。

今日から4月です。
様々な法令の変更なども施行される時期ですね。
平成19年度税制改正法案も、3月23日に国会にて可決成立し、4月1日より施行されています。

その他にも、健康保険や雇用保険の料率などが、変わります。
いろいろ注意、確認することが多い4月ですね。

 
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう!

減価償却を意識して経営をする

今日は、今年の税制改正の目玉でもある「減価償却費」について話したいと思います。

と言うのも、この「減価償却費」ほど特殊な経費、面白い経費はないと、思うからです。

「減価償却費」については、おわかりの方が多いかと思いますが、知らない方のために、簡単に説明します。

たとえば、100万円で機械を購入した場合、これは一時の経費で落としていいのか、それとも経費ではなく、資産になるのか...という問題が生じます。

基本的には、自社で壊れるまで使うものであれば、経費でもいいように思います。

しかし、100万円の機械は、その期だけではなく、今後数年に渡って使用して、会社に収益をもたらしてくれるものです。

そこで、その数年を耐用年数として、その期間で経費化していくことが、合理的ではないか、ということになります。

これが「減価償却」という手続きになります。

たとえば、耐用年数を5年とすれば、
100万円÷5年=20万円 が、1年分の経費=減価償却費になるわけです。(この計算方法を、定額法といいます。)

減価償却費の何が特殊、面白いかというと、

お金が出る時期と、経費になる時期が異なる、ということからきます。

★お金が出る時期=購入した時 には、経費になりません。

しかし、その後、
 
★経費になる時期=償却をする時 には、お金は出ないのに、経費が発生します。

経営の実務的に見ると、

★購入する時は、多額のお金が出て、資金的に苦しいのに、経費にもならないので、税金の追い討ちもあり、さらに資金的に大変。

★償却する時は、経費になるけど、お金が出ないし、税金も減るので資金繰りがとても楽になる。

というようなことになりますね。

もちろん、実際には、資産は1つではないので、購入と償却が入り混じって、単純に上記のようにはなりませんが。

ここで大事なのは、「減価償却費」の特徴を、十分に理解して経営をするということです。次のようなことです。

・資金と経費が一致しないものは、キャッシュフロー経営をする上で、上記のように難しくなるので、できるだけ資産は買わない。(賃借やリースを活用する)

・資産を買う場合は、できるだけ固定資産にならないようにする。すなわち、経費で落ちる部分を多くするように工夫して購入する。(資産を、明細で細かく分けて、費用化するなど)

・また、資産であって、できるだけ耐用年数が短くなるように工夫する。
(資産の種類の選定に気をつかう。また、独自の耐用年数を算定して税務署に申請するなど・・・)

・資産は、早期に償却することにより、キャッシュフローがよくなる。(上記説明のとおり)
したがって、特別償却や、一括償却、少額減価償却資産などの特例を使ったり、使わなくなった資産は早期処分、除却を行なう。(税理士等に相談してください)

・資産を購入する時は、経費にならない。
償却する時は、経費になるがお金は出ない。

この特徴を考えると、償却している経費の範囲内で、資産を購入すれば、 お金の支出=経費 となる。

したがって、キャッシュフロー経営=健全な経営 をするのであれば、毎期の償却費の額を、資産購入の限度額とするような経営をしていけばよい。

 
というようなことが、減価償却を活かした経営になると思います。

その他、不動産業などは、土地・建物 などの購入は、できるだけ償却できる部分が多いように買うことにより、資金を有効に回すことなどもできます。

たかが「償却」ですが、これを意識して経営するか、しないかでは、数年に渡って大きな差が出てくると思います。

編集後記

今日は時間がなくなってしまいました。
週末嬉しかったのは、子供がバイオリンの全国大会で入賞したこと、ザンネンだったのは、お花見に行けなかったこと...でした。

メルマガ【実践!社長の財務】登録はコチラ
https://www.mag2.com/m/0000119970.html

税務・財務・経営のご相談はお問合せフォームへ

税理士セカンドオピニオン

<< 実践!社長の財務 記事一覧