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兄弟から株式の贈与を受ける場合の株式評価【実践!事業承継・自社株対策】第264号

兄弟から株式の贈与を受ける場合の株式評価【実践!事業承継・自社株対策】第264号

2025.08.29

Q:父が経営する不動産賃貸業を営む会社を、私が事業承継していくことになりました。
この会社は父が所有する土地の上に、会社がビルを建てて賃貸しています。

会社は父との土地賃貸借契約においては、借地権の権利金は払っておらず、連名で税務署に「土地の無償返還に関する届出書」を提出しています。

私が事業を承継していくにあたり、兄弟が持つ株式を贈与してもらうことになっています。

この場合、株式評価においては、借地権相当額を純資産に加算する必要があると聞いておりますが、どのように計算するのでしょうか?

A:結論から言いますと、ご兄弟から株式の贈与を受ける際の株式評価においては、借地権相当額を純資産に加算する必要はありません。

順を追って説明していきます。

地主である個人と法人の連名で「土地の無償返還に関する届出書」が提出されている場合は、会社の借地権の評価額はゼロとされ、会社に借地権の受贈益課税は起こらないことになっています。

この場合において、土地が賃貸借契約であれば(使用貸借ではない)、お父様の土地の相続税評価額は、自用地評価額から、借地権相当額として20%を控除することができます。

また、その会社の株式評価(純資産価額)においては、上記で控除された借地権相当額20%を、純資産価額に加算する必要があります。

ただし、これは土地の所有者と株式の所有者が同一である場合の取り扱いです。

ご質問の場合には、株式評価の対象はご兄弟が持っている株式であり、土地所有者であるお父様の株式ではないため、借地権相当額20%を純資産価額に加算する必要はありません。

《担当:税理士 北岡 修一》

編集後記

無償返還届が出ている場合は、株式評価に借地権分として20%加算する、ということを知っている方は多いかと思います。
ただ、これは誰の株式を評価するのかということを考慮しないと、加算しなくていいものを加算して株価が高くなってしまうことになるので、注意したいところですね。

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