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実践!相続税対策

小規模宅地等の特例が使えない典型例は?【実践!相続税対策】第751号

小規模宅地等の特例が使えない典型例は?【実践!相続税対策】第751号

2026.06.24

おはようございます。
税理士の北岡修一です。

相続税対策の代表格は、小規模宅地等の特例を確実に使うこと。
特に自宅の土地については、一定要件を満たせば最大330m2まで評価額を80%減額できるため、その効果は絶大です。

一方で、実務では「当然使えると思っていたのに使えなかった」というケースが少なくありません。

制度そのものは有名ですが、適用要件は意外と細かく、生活実態や財産の持ち方によって結論が変わってきます。

典型例を見てみましょう。

まず多いのが、別居している子が自宅を相続するケースです。
親の自宅を長男が相続するから特例が使える、と思われがちですが、別居の場合は原則として対象になりません。

一定の「家なき子」要件を満たせば例外がありますが、配偶者が健在、同居している親族がいる、自己所有の家や親族が所有する家に住んでいる、など、意外と適用できないことが多いです。

次に注意したいのが、相続後に急いで売却してしまうケースです。

配偶者以外の相続人が自宅を相続した場合に、小規模宅地等の特例を受けるには、相続税の申告期限まで自宅を保有している必要があります。

納税資金確保や、実家整理のために先に売却してしまうと、特例を使えなくなってしまいます。

また、近年増えているのが、老人ホームに入所した場合に特例が使えるかどうか、という問題です。

被相続人が施設に入っていたから自宅ではない、と単純にはなりませんが、一方で入所後に第三者に賃貸したり、新たに別生計の親族が住んだりすると、適用を受けられなくなります。

同様に近年増えているのが二世帯住宅ですが、これは区分所有登記がされている場合は、小規模宅地特例が適用できない、あるいは適用面積が制限されることになります。

法人税や所得税対策が、裏目に出るケースもあります。その代表例が、同族会社が建物を所有して社宅にしているケースです。

自分の資産管理会社が建てた家に住んでいるので、「自宅」の感覚でも、居住用の小規模宅地特例は、本人や親族が建物を所有している必要があるからです。

最後に、この小規模宅地特例は原則として相続税の申告期限までに遺産分割が行われる必要があります。

したがって、争族になってしまって、遺産分割が進まなくなると、この特例も使えなくなってしまいます。

せっかくの大きな節税効果のある特例、確実に使えるように条件を整えておくが大事ですね。

《担当:税理士 北岡 修一》

編集後記

6月には同族会社の株価評価に使われる類似業種比準価額の令和8年分の数字が発表されました。
また、7月初めには令和8年分の路線価が発表されます。
今年相続が起こった場合は、この数字が確定しないと相続税の計算が終了しないので、これを待っている方も多いかと思います。
両方の数値とも、最近の地価高騰、日経平均の上昇等により上がっていきそうですね。

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