実践!相続税対策
相続人ごとに別々の税理士に依頼することのデメリット【実践!相続税対策】第745号

2026.05.13
おはようございます。
税理士の宮田雅世です。
相続が発生した際、相続人同士の仲が悪かったりすると、それぞれ別々の税理士に申告を頼みたい、というご相談を受けることがあります。
結論から申し上げますと、相続人ごとに別々の税理士に依頼することは可能です。しかし、実際には多くのデメリットやリスクが伴います。
今回は、その具体的な注意点についてお話しします。
まず、最も大きなデメリットは、情報の共有がスムーズにいかないことです。
相続税は、亡くなった方の財産と債務を洗い出し、それを誰が引き継ぐかによって全体の納税額が決まります。
別々の税理士が担当すると、財産の評価方法や計算の前提がズレてしまうことがあります。
提出した申告書の内容が、相続人によってバラバラだったとしたら、税務署からどちらが正しいのかと、問い合わせや調査が入るきっかけになりかねません。
次に、特例の適用で損をする可能性がある点です。
特に小規模宅地等の特例は、亡くなった方の居住用や事業用の土地について、評価額を大きく減らせる制度ですが、この特例を使うには対象不動産を相続した「相続人全員の同意」が必要になります。
別々の税理士に依頼していると、この同意を取り付けるための調整に、かなりの時間と手間を要する可能性があります。
話し合いがまとまらなければ、結果として全体で支払う税金の合計額が高くなってしまうケースも少なくありません。
また、別々の税理士に依頼すると、税理士報酬の負担が多くかかります。それぞれの税理士に対して報酬が発生するからです。
さらに、税理士同士で資料をやり取りしたり、歩み寄ったりするための余計な費用がかかってしまうこともあります。
相続人同士の事情により、どうしても別々に依頼したいケースもあるかと思います。
しかし、その場合でも、税理士同士が連携を取れる体制を整えておくことが非常に重要です。
余計な税金やトラブルを防ぐためにも、まずは一度、相続人全員で信頼できる専門家を交えて話し合ってみることをお勧めします。
《担当:税理士 宮田 雅世》
編集後記
最近は、相続人ごとに別々の税理士を立てるケースが増えていると感じます。お互いに納得して進めるための選択ですが、連携不足で税金が高くなっては本末転倒です。
窓口が分かれても、最終的には「一つの申告」としてまとめることが重要かと思います。
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