実践!事業承継・自社株対策
EBITDAとは?【実践!事業承継・自社株対策】第278号

2025.12.04
Q:当社は製造業ですが、先日、銀行と今後の設備投資に関する資金調達の打合せをしている際、EBITDAなる指標が出てきていました。
打合せの中では何となくわかったような気になっていたのですが、改めて説明していただけますか?
A:EBITDAは、イービットディーエーあるいはイービッダなどと言われています。
財務分析や投資の世界などではよく出てきますが、あまり一般的ではないですね。
これは、英語の頭文字を取ったものですが、それは略しますが、要は、利払い前・税引前・償却前の利益です。
EBITDA=営業利益+減価償却費で簡単に表すこともあります。
これは何のために使うかというと、本業の利益をより明確に見るためです。
本業の利益とは、営業利益です。営業利益はもちろん、減価償却費が引かれています。
設備投資が大きい製造業などにとっては、大きな設備投資をした後数年間は、減価償却費が大きく膨らみます。
特に定率法の場合には、償却期間の当初部分の減価償却費が多くなります。
そのため、その減価償却費の影響を排除したところで利益を見てみる、毎年の利益を比較してみる、ためにこのEBITDAが指標として使われることがあります。
また、減価償却費はキャッシュの支出を伴わない経費ですから、本業によるキャッシュフローを簡易的に見るためにも使われています。
このEBITDAが、借入などの資金調達の条件になっている場合もありますので、銀行との打ち合わせで出てきたのではないでしょうか?
EBITDAはあくまで分析指標であり、投資家や債権者が企業を判断するための指標です。
経営者は、当然、減価償却費や支払利息も控除した実力の利益=経常利益に着目して経営をしていかなければなりません。
EIBTDAは、減価償却費や支払利息を控除する前の利益ですから、金額は大きくなってきます。
EIBTDAが良いからといって、決して安心してしまってはいけないですね。
《担当:税理士 北岡 修一》
編集後記
12月も第1週が終わろうとしていますので、仕事的には今年も後3週間となってきましたね。そう考えると短いものです。とりあえず、今年やらなければいけないことを毎日の予定に入れてみると、あまり余裕がないなという気がしてきます。12月も1か月は1か月ですが、普通の月と違うような不思議な感覚がありますね。
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