実践!事業承継・自社株対策
事業承継税制の特例措置終了後【実践!事業承継・自社株対策】第269号
2025.10.04
Q:事業承継税制の特例措置は、2年後の2027年12月末で終了するとのことですが、延長の可能性はないのでしょうか?
また、事業承継がどうしてもその後になってしまう場合、今後の税制改正で新たな措置が設けられる可能性はあるのでしょうか?
A:ご質問のとおり、事業承継税制の特例措置は、2027年12月31日までの贈与や相続で終了することになります。
これに関しては、延長しない旨が税制改正大綱に何度か明記されておりますので、延長の可能性はまずないと思われます。
その後の事業承継税制については、一般措置のみが残ることになりますが、これは適用要件が厳しいため、恐らく利用する方は激減するかと思います。
そこで東京税理士会では、事業承継税制について次のような要望を出しております。
<事業承継税制の一般措置について>
1. 納税猶予額を、5年経過で免除とする。
2. 雇用の8割維持要件を緩和する。
3. 特例措置にある経営環境の変化による免除を追加する。
4. 経営承継期間(5年)の代表権喪失の要件を緩和する。
5. 手続きを簡素化する。
6. 親族外承継における相続切替時の相続税を受贈者単独で申告を可能とする。
また、事業承継税制(一般措置)に代えて、一定の評価減制度を創設することも、要望しています。
主な内容を紹介すると、
現行の事業承継税制は、納税の先送りであるため、後継者に納税猶予確定のリスクや、過大な事務手続き等の負担が生じている。
これは後継者にとって「負の遺産」の承継である。
そこで、特例措置終了後に、一般措置に代えて新たな枠組みを創設する場合、ドイツ等の諸外国に見られるシンプルな評価減制度を設け、後継者に生じているこれらの負担軽減を図るべきである。
ということです。
日本税理士会連合会の方でも、上記の1~6と同様の内容による新たな納税猶予制度の創設を要望しています。
まだまだどうなるかはわかりませんが、事業承継に係る負の遺産は、是非解消して欲しいところですね。
《担当:税理士 北岡 修一》
編集後記
今日は自民党総裁が決まる日ですね。野党も結束しているわけではないので、そのまま日本の首相になるものと予想されています。是非、今日は注目したいところです。
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