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実践!社長の財務

社長は、臆病くらいな方がいい【実践!社長の財務】第191号

社長は、臆病くらいな方がいい【実践!社長の財務】第191号

2007.07.02

おはようございます。
税理士の北岡修一です。
 
日本の法人税率が、先進国の中で最も高い、という記事が出ていましたね。40.7%で次がアメリカの40%だったか。
(今、記事探したのですが、見当たらないので記憶です...)

欧州の方では、法人税率の下げ競争が行なわれている様相で、ドイツも20%台に下げていくようです。

欧州は地続きだから、ちょっとでも税金が高いと、企業が他の国に出て行ってしまうのでしょうか。その位の企業の取り合いがおこっているような気がします。日本ではあまり考えられない...

いずれにしても、法人税が下がれば、消費税が上がる、という構図になるのでしょうね。
企業であれば、経費を徹底的に削減する、ということを常に課されているのに、政官の世界では、どうしてもそれが徹底しない。これでは、国民の理解を得るのは難しいと思うのですが。
 
いずれにしても、すべては参院選の後ですね。
 
 
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう!

社長は、臆病くらいな方がいい

顧問先のある会社は、毎期良い業績を残すのですが、決算終了後の報告でいつもその社長は、次のようなことを言います。

「北岡さん、今期は良かったけど、それは○○の特需があったから。
来期はそれがなくなるから、かなり厳しくなる。今期ほどの業績は見込めないよ。もしかしたら、赤字になる可能性もある。その位厳しい...」

もちろん、内容は違いますが、大体毎年そんなような話しをします。
 
そして、毎年終わってみれば、すばらしい業績を残しています。だからいつも私は、「社長は、狼少年ですね!」と言いいます。(笑)

決して、その社長は嘘をついているわけではないのです。
本気で、そう思っているのです。

アパレル業界ですので、その年々の流行があり、本当に先を読むことができません。
前年売れたものが、今年パッタリ売れなくなることも多いのです。

だからこそ、新年度が始まる前は、いつも社長は不安に思っています。心配しています。
役員報酬も取れるかどうか...だから、いつもなかなか上げられません。

でも、それだけ不安に思っているからこそ...

・去年の○○に変わる、流行りそうな商品は何か...
・メインになる商品がない場合は、既存商品をどのように販促するか...
・本業を補完する、周辺ビジネスで稼ぐことはできないか...
・万が一、売上が下がってしまう場合は、どのように乗り切るか...
・資金繰りがつまってしまった場合は、どのように調達をするか...

というようなことを、必死で考えるわけですね。
そして、立てた対策を、実行していく。

去年のヒット商品の穴を埋めるために、
何としてでも赤字にしないために。

だからこそ、その1年も終わってみれば、すばらしい成績を上げられるのですね。

不安に思うからこそ、実績が上がるのです。

私が顧問税理士として見ていて、儲かる会社の社長は、上記のように不安を持った人です。臆病な人です。

世の中の社長のイメージは、細かいことは気にせず、豪快で、自信満々不安のかけらもない人でしょうが、儲かる会社の社長は実際には違うような気がします。

 
現に、営業力抜群の社長で、ガンガン売上を伸ばした会社が、専務が退社したとたん2年で倒産した、なんていう実例も見ています。

この会社の場合は、専務が細かく細かく、資金から顧客フォローから社員の面倒までみていたのですね。
その不安の部分をやる人がいなくなったため、あっという間に倒産してしまったのです。

豪快な社長が会社を伸ばす場合は、その裏に繊細な神経を持っているか、あるいは、上記のように補完するNO.2がいるか、どちらかです。

社長がすべてをやるのであれば、2重の性格を持つ必要があるのではないでしょうか?

社長は、ある意味「臆病」でなければ、儲かる会社を作っていくことはできない、と言ってもいいと思います。

自分で臆病だ、心配性だ、と思う方は、社長としての適正がありますよ!ただし、常に臆病であってはいけませんし、それを解消するために、次のようにしていかないといけません。

すなわち、

・不安に思うことは、一生懸命考えて対策を練ります。
・あらゆる可能性を探って戦略を練ります。
・妥協をせず、これ以上はないというところまで、考えます。

・そして、対策、行動計画ができ上がれば、そこからは臆病であってはいけません。

・その対策、計画を心から信じ、自信を持って行動していくのです。
・うまくいくはずだと思い、やり遂げるのです。
 
そうすれば必ず結果は出てくるはずです。

これを、『悲観的に考え、楽観的に行動する』と覚えておくといいと思います。

この言葉は、京セラ創業者 稲盛和夫氏の言葉です。氏のやってきたことは、正にこれなのかなと思います。
 
いつも不安に思っている社長の皆様には、その延長にすばらしい業績を残す道があることを、是非、知っていてもらいたいと思います。
 

編集後記

上記の不安に思う社長も、きっとこのメルマガを読んでいるでしょうね。
何か反応がありそうで、不安です...(笑)
でも、本当にすばらいと思っているので、書かせていただきましたので、是非、ご理解ください。(私信になってしまいました)

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