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相続で株式を取得して会社に自社株譲渡する【実践!事業承継・自社株対策】第97号

相続で株式を取得して会社に自社株譲渡する【実践!事業承継・自社株対策】第97号

2022.04.28

Q 当社は10年近く業績が良かったため、かなりの内部留保があります。当然、株価も高くなっています。
株式は社長である父親が、ほぼ100%持っており、将来のことを考えると相続税が心配になってきました。

事業承継税制も検討したのですが、後々背負うものを考えると乗り気になりません。持株会社や株式交換などによる株価引下げ対策の提案も受けましたが、今一良い方法がありません。

この会社は長男である私が引き継ぐことなり、私の相続する財産は、ほぼこの会社の株式のみになりそうです。
他に何か対策などはあるでしょうか?

A おそらく様々な対策を検討されたのかと思いますので、ピンとくるのものは、余程のものでなければないのかも知れません。

株価を下げるには、購入価格と相続税評価額に乖離のあるもの、たとえば賃貸不動産などを購入する、社長である父親の退職時に限度一杯の多額の退職金を出す、などでしょうか。
その際に多くの株式を贈与する、相続時精算課税を使う、持株会社へ売却する、などをすることです。

ただし、相続時精算課税を使ってしまうと、その後の暦年贈与ができなくなる、こともありますので、一概に良いとも言えません。

あるいは発想を変えて、業績も良く成長発展を目指していく会社であれば、上場を目指すというのも良いのかも知れません。

また、暦年贈与で少しずつでも株式を移動しながら、最終的には相続で株式を取得し、納税資金捻出のため会社に自社株譲渡することも考えられます。

2019/11/17(第28号)に書きましたように、相続税の申告期限から3年内に、会社に自社株を譲渡した場合には、譲渡所得の扱いとなり、税額は分離課税の20.315%で済みますので、優遇されています。

通常は自社株譲渡は、みなし配当として総合課税となりますので、株価が高く、所得が多くなる(累進税率が高い)方にとっては、譲渡所得となるのは非常に有利です。

無理に生前に多くの株式を移すより、良いかも知れません。
ご検討いただければと思います。

《担当:税理士 北岡 修一》

編集後記

今日は朝早くから出かける用事があったため、配信が遅くなってしまいました。
明日からはいよいよGWですね。2日、6日を休めば何と10連休!ただ、この時期私どもは3月決算の決算申告業務が集中し、ちょっとつらい時期です。
ただ、2日、6日は逆に来客も少なく落ち着いて業務に集中できる貴重な日、でもありますね!

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