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先代経営者以外の者からの株式贈与に係る納税猶予【実践!事業承継・自社株対策】第174号

先代経営者以外の者からの株式贈与に係る納税猶予【実践!事業承継・自社株対策】第174号

2023.11.09

Q 創業者である父より特例事業承継税制により、自社株の贈与を受ける予定です。

その後、他の者から受ける株式贈与についても事業承継税制の適用を受けられるとのことですが、注意点などあれば、教えてください。

A ご質問のとおり、特例事業承継税制においては、先代経営者から株式の贈与を受けた後、一定期間内に行われた他の株主からの贈与についても、納税猶予の対象となります。

この贈与を第二種特例贈与といいます。
第二種特例贈与については、本メルマガ第22号(2019/10/04)にも記載していますので、ご参照ください。

先代経営者である父親の株式とともに、他の者の株式も無税で承継でき、後継者に株式を集中させることができるのは、大きなメリットです。

ただし、贈与をした株主に相続が発生したときに問題があります。

その際には、納税猶予の適用を受けていた株式は、贈与を受けた者から、相続または遺贈により取得したものとみなされます。(贈与から相続への切り替え)

したがって、贈与を受けたご質問者は、相続人でなくても、その贈与をした方の相続人と一緒に、他の相続財産と合算して、相続税の申告を行わなければなりません。

相続税の申告書は、相続または遺贈により財産を取得した者が、共同して作成することになります。

そのため、ご質問者は相続人でもないのに、他の家庭の財産を知ることにもなってしまい、その点、感情的な問題が発生する可能性もあります。

また、ご質問者は贈与税の納税猶予から相続税の納税猶予に切り替えることができ、相続税の猶予を引き続き受けることができますが、他の相続人の方々は、加算される株式の分、相続財産の総額が増えることで税率が上がり、納税額が増えることになりますので、その面での不満も起こりかねません。

第二種特例贈与は、親族以外の第三者の株式も対象になりますが、いずれの相続のことを考えると、慎重に検討し、そのご家族の方などとも話し合っておく必要があるのではないかと思います。

《担当:税理士 北岡 修一 》

編集後記

今日の内容のようなことを考えると、第二種特例贈与はあまりお勧めできませんね。たとえば、会社を継ぐのは長男で他の兄弟が持っている株式を贈与してもらった場合でも、兄弟といえども家庭を持てば他人以上に争うこともありますので、やはり他の家族の相続にからむのは避けたいですね。

第二種特例贈与ができるのは、先代経営者の配偶者からの贈与くらいなのかな、とは思いますが。

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