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自社株式の評価と評価通達6項の適用【実践!事業承継・自社株対策】第144号

自社株式の評価と評価通達6項の適用【実践!事業承継・自社株対策】第144号

2023.03.30

Q 私はいくつか法人を経営しています。

その内の1社は、会社の資産評価合計額のうち株式価額が50%以上となっており、株式保有特定会社、いわゆる『株特』に該当しています。

『株特』に該当すると、純資産価額を基準に株式を評価する必要があり、株価が高くなってしまいます。

このため、会社で借入をし、そのお金を預金への貯蓄又は、株式以外のものに投資しようと考えております。

これにより、株式保有割合が50%未満となれば、類似業種比準価格等を利用できるでしょうか。

A 株式保有特定会社に該当しないことだけを目的に株式保有割合を形式だけ50%未満にしただけ(いわゆる株特はずし)では、税務調査などがあった際に評価を否認される可能性があります。

まず、財産評価方法の基本となる財産評価基本通達189では、下記のような記載があります。

『課税期間の前に合理的な理由もなく、資産構成に変動があり、その変動が株特外しであると認められるときは、その変動がなかったものとする。』

これをふまえても、単純な株特外しのための財産の増加は、否認される可能性が高いといえます。

さらに、令和3年に国税不服審判所の裁決で、否認された事例があります。また最近では株式評価で敗訴となるような事例も増えてまいりました。

これは、納税者が株特である会社の増資を行い、これにより保険や株式の規制対象にあたらない資産の購入を行い、株特がはずれたケースです。

この増資は、大手からの乗っ取り防止という理由もあったようですが、最終的には、一連の取引は、租税回避を目的としたものであり、課税の公平を害するという理由で、類似業種比準価格などによる評価を否認されました。

特に、納税者がコンサル会社などと相談したやり取りの内容や、相談後の資産の流れがすべて株特外しになっていた点等も、判決に影響しているようです。

なかなか実体判断というところで白黒わかりにくいですが、今回ご相談者様の状況では、評価の否認リスクは高い、といえるのではないでしょうか。

《担当:税理士 青木 智美》

編集後記

入学式や入社式が始まります。
今年は、ついにお互いのマスクなしの顔を見ながら新しい生活をスタートさせる人も出てきそうですね。
ただ、日本では花粉症の問題もあり、私もその一人ですが、、なかなか外せる状況にもないのが現実です。

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