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事業承継税制は本当に有利か【実践!事業承継・自社株対策】第113号

事業承継税制は本当に有利か【実践!事業承継・自社株対策】第113号

2022.08.18

Q 当社は私が2代目の中小企業ですが、業績も安定しており、純資産も土地の含み益はじめ相当な額に積み上がっています。
そのため株式評価額も、相当高くなっており株式の承継について悩んでいるところです。

事業承継税制も検討はしておりますが、結局は納税猶予ということで、納税のリスクは常につきまとっているのかと思いますし、数々の制約もあるので踏み切れていません。
果たして納税猶予であっても、この税制を選択した方が有利になるのでしょうか?

A 事業承継税制は、確かに納税猶予の制度です。

特例の事業承継税制を使って、株式を後継者に贈与した場合は、贈与税がかかりませんが、それはあくまで納税が猶予されている、ということです。

では、この猶予はいつ免除になるのかというと、それは次の代に事業承継税制を使って株式を贈与したとき、あるいは贈与した先代経営者が死亡したとき、です。
(後継者が死亡したときも、贈与税は免除になります)

ただ、先代経営者が死亡したときは、贈与税は免除になりますが、その株式は相続税の対象となります。

このときには、相続税の納税猶予に切り替えることができますので、結果として納税猶予を継続することができます。

これを代々繰り返していけば、相続税も贈与税も納税猶予が継続することになります。
実質かからないのと同じです。

事業承継税制を使わなかった場合は、相続のときには相続税がかかってきます。
節税対策をしたとしても株式を持っている限りは、納税がゼロなることはないでしょう。

片や事業承継税制を使った場合は、贈与税や相続税がかからずに、代々株式を継承していくことができます。

株式の評価額が高い場合は、多少の制約や届出等の手間があったとしても、このメリットは大きいのではないでしょうか?

特例事業承継税制を適用するには、まずは特例事業承継計画を都道府県に提出する必要があります。
これは、2024年3月31日までとなっています。

事業承継税制を使うかどうか決めていなくても、まずはこの計画を提出しておくことをお勧めします。
なお、計画を提出したからといって、必ず事業承継税制を適用しなければいけない、ことはありません。

《担当:税理士 北岡 修一》

編集後記

事業承継税制を使うかどうかは、やはり株式の評価額がある程度高い場合ですね。
評価額が低い場合は、この制度を使わなくても、他の対策を行うことで税金を落とすことが可能かと思います。
評価額1億円以上くらいを目安と考えています。

ただ、評価額が低くても先代経営者だけでなく他の者の株式も承継していくことができるので、それらを活用する場合には適用を検討しても良いのかと思います。

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