実践!相続税対策
家族信託と空き家特例【実践!相続税対策】第730号

2026.01.28
おはようございます。
税理士の北岡修一です。
将来、認知症なってしまった場合などに、財産の管理や処分ができなくなってしまうことがあります。
そのため家族信託を使って、親が子に不動産などを信託することがよくあります。
信託契約においては、親が亡くなると信託契約が終了する旨が通常定められています。
この場合、その信託財産(残余財産)は、信託契約であらかじめ定められた帰属権利者が、遺贈により取得したものとみなされます。
たとえば、長男が親の死亡に伴い、信託財産であった親の自宅を取得したとします。
自宅は親がひとりで住んでおり、相続後空き家となってしまうため売却する場合、空き家特例の適用が考えられます。
譲渡益から3,000万円を控除することができる特例です。
ただし、上記信託の終了により取得した財産については、空き家特例の適用を受けることができない旨が、国税庁の文書回答事例で示されています。
空き家特例は、相続または遺贈により取得した相続人が適用を受けることができます。
信託終了による取得は、遺贈とみなされるわけですが、空き家特例においては、みなし遺贈まではカバーしていない、ということになります。
国税庁の文書では、信託終了による残余財産の取得は法律上の相続または遺贈には当たらず、帰属権利者は、その権利を放棄することができること、が根拠となっています。
空き家特例の条文も、相続または遺贈による、と明記されており、みなされるものを含む、というカッコ書きはありません。
なお、相続財産を譲渡した場合の、相続税の取得費加算の特例(その財産の相続税を譲渡益から控除できる)は、みなし遺贈の場合も適用を受けることができます。
小規模宅地特例の適用を受けることも可能です。
いずれにしても、家族信託を利用する場合は、自宅が将来空き家になって譲渡する可能性も含めて、検討する必要がありますね。
《担当:税理士 北岡 修一》
編集後記
新年始まったばかりかと思っていましたが、あっという間に1月ももう終わりです。本当に早いものです。
これからいよいよ贈与税、所得税の確定申告の時期です。早目に準備をして早めに済ませてしまいましょう。
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