実践!相続税対策
法定相続人以外の人が保険金の受取人である場合【実践!相続税対策】第644号
2024.05.15
おはようございます。
税理士の宮田雅世です。
相続税対策として、生命保険に加入されている方は多いかと思います。
ほとんどの方は、保険金の受取人を配偶者や子どもにしているのではないでしょうか。
保険金には非課税枠があるから、税金はかからないと思っている方が多いかと思います
これは、間違いではありません。ただ、非課税枠も限度や適用対象者が決まっています。
保険金の非課税限度額は、「500万円×法定相続人の数」で計算します。
たとえば、相続人が妻、長男、長女の3人だったとします。
この場合の、非課税限度額は、500万円×3人=1,500万円となります。
被相続人が生命保険に加入し、保険金1,000万円の受取人を妻としていた場合は、全額、非課税となります。
受取人が相続人であれば、非課税限度額まで課税されません。
ここで、受取人が相続人ではない被相続人の親だった場合はどうでしょうか。
保険金1,000万円は全額、相続税の課税対象となります。
他に不動産や預金が相続財産としてある場合は、それらの財産と合わせて、相続税を計算します。
そして、相続税がかかる場合は、保険金受取人である親にも納税義務が生じます。
保険金受取人が、兄弟や孫である場合も、同じです。
さらに、これらの受取人に相続税がかかる場合には、相続税に2割加算されることになります。
相続財産を受け取った方が、被相続人の一親等の血族および配偶者以外である場合は、相続税を2割加算することになっています。
兄弟や孫は、これに該当してしまいます。
相続税対策として、生命保険金に加入されている方は、受取人をしっかり確認しておく必要がありますね。
また、ご自身の知らないところで保険金の受取人となっていることもあるかもしれません。
相続が発生し、保険金を受け取った方は、相続税がかかるかもしれませんので、ご注意いただければと思います。
ちなみに、保険金を入れても相続財産の課税価格が基礎控除額を下回っている場合は、相続税はかからないことになります。
《担当:税理士 宮田 雅世》
編集後記
相続税の2割加算というのは、その人の相続税額にその相続税額の2割に相当する金額が加算されます。
対象者は、被相続人の配偶者、父母、子ではない人です。
相続人であるかどうかは関係ありません。
被相続人の兄弟姉妹、甥姪は、2割加算の対象となります。
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