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実践!相続税対策

遺言か養子か【実践!相続税対策】第519号

遺言か養子か【実践!相続税対策】第519号

2021.12.01

おはようございます。
税理士の北岡修一です。

相続人以外の人に財産を相続させるには、遺言をするか、養子にするかなどをしなければ、渡すことができません。

以前に、次のような事例がありました。

子がいない夫婦で、妻は既に亡くなっていました。
夫の相続についてです。

相続人は、本人の親も兄弟も既になくなっているので、兄弟の子5人が相続人になります。

ただ、兄弟の子たちとは、ほぼ付き合いがなく、会ったことのない人もいます。

さらには、兄弟の仲が良くなかったこともあり、自然にその子たちとも、あまり仲が良くありません。

自宅やアパートを含め、かなりの財産を持っているのですが、兄弟の子たちに相続させるのは、心情的に気がすすみません。

本人は高齢となり世話も必要になってきましたが、様々な面倒を見てくれているのは、亡くなった妻の兄弟の奥様でした。

ただ、当然、相続人ではないので、このままでは財産を相続させることができません。

そこで、遺言をするか、養子にするかで、ご相談がありました。

かなり広い自宅がありましたので、相続税上は小規模宅地特例を使って、80%評価減をすれば相続税は安くなります。

ただし、小規模宅地特例は、相続する人が親族で同居をしているなどの要件があります。

実際には同居をしていましたので、それは満たすのですが、実は親族にはならないのです。

何となく親族ではないかと思っていましたが、親族とは「配偶者、6親等内の血族、3親等内の姻族」になります。

妻の兄弟は、2親等の姻族となります。そうなるとその奥様は親族ではないかと思われがちです。

ただ、姻族は「血族の配偶者」と「配偶者の血族」いうことになっています。

上記の場合は、配偶者の血族(兄弟)の姻族(奥様)ということになってしまい、姻族の範囲からははずれてしまうのです。

ちょっとややこしいですが。

したがって、面倒を見てくれている妻の兄弟の奥様に遺言で渡しても、小規模宅地特例を受けることができません。

さらに、アパートローンなどもまだ残っていたのですが、その債務控除も、親族でないとできないことになっています。

これでは、遺言による方法よりも、養子にした方がよいのではないか、ということになりました。

ただ、実際に両方の場合の相続税の試算をしてみると、遺言による方法の方が、相続税が安かったのです。

小規模宅地特例も、債務控除もできないのですが、その方が相続税が安い? なぜでしょうか?

それは、基礎控除が多く取れるからです。

遺言をした場合は、相続人は兄弟の子たち5人です。
そうすると、相続税の基礎控除は、次のとおりになります。

3,000万円+600万円×5人 = 6,000万円

養子にした場合は、相続人は養子1人になります。

法定相続人の順位が、第3順位の兄弟姉妹(その子を含む)から、第1順位(子や孫)に移ってしまうのです。養子は子ですので。

したがって、基礎控除額は、次のとおりとなります。

3,000万円+600万円×1人 = 3,600万円

この2,400万円の差の方が、小規模宅地特例よりも有利だったのですね。

アパートローンに関しては、生前に返済してしまえば、債務控除できなくても問題はありません。

相続人の数は、基礎控除や生命保険金の非課税などに影響を与えてきます。これが結構な相続税の減額要因になります。

法定相続人が誰になるのかは、親族関係が複雑な場合はよく確認しておく必要がありますね。

《担当:税理士 北岡 修一》

編集後記

いよいよ12月に入りました。今年もコロナに翻弄され、いろいろあった年ですが、最後は平穏無事にいきたいですね。
新たな変異株が蔓延しないことを祈るばかりです。

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