不動産を贈与する場合のメリット、デメリット 【不動産・税金相談室】

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Q 父が賃貸不動産をいくつか所有しています。
相続税対策で贈与も検討しておりますが、不動産を贈与する場合のメリットデメリットを教えてください。

A 不動産を贈与する場合のメリットは、賃貸不動産であれば賃貸収入が贈与を受けた者に移転します。
その結果、所得が分散されますので、お父さまの所得税や相続税の節税対策にもなります。

アパートであれば、建物だけ贈与しても、収益は贈与を受けた者に移転しますので、土地を含めた贈与よりは、税負担は少なくて済みます。

建物の評価額にもよりますが、相続時精算課税を適用すると贈与税はかからないか、かかったとしても少額で済むかもしれません。

また、将来値上がりする可能性が高い物件については、贈与することで相続税対策になります。

贈与は、贈与契約が成立した時点での評価額によって贈与税が計算されますので、将来の相続時に評価額が上昇していた場合は、税の負担が軽減されたことになります。

暦年贈与で不動産を贈与すると、贈与税が高くなる可能性はあります。
年間110万円あるいは、低税率の範囲で贈与をしていくという例もあります。

その場合は、面倒ではありますが、贈与の都度、贈与契約書を作成しておく必要があります。

贈与は相続と違い、相手を選べます。
相続は、遺言などがなければ相続人の間での遺産分割協議によることになります。
つまり、贈与には生前にあげたい人にあげられる、というメリットがあるといえます。
本来、相続人にならない孫にも贈与をすることが可能です。

生前に贈与してしまうことで、遺産分割によるトラブルを防止することも、メリットの1つかもしれません。

デメリットとしては、不動産は高額になることが多いので贈与税が高くなるということです。
上記にあげた相続時精算課税を適用して、贈与税はかからなかったとしても(2,500万円まで贈与税がかからない)、相続時には相続財産に加算して相続税を計算する必要があります。

また、亡くなる前3年以内の贈与の場合は、相続財産に加算する必要があり相続税の課税対象となります。
もちろん、贈与時に納めた贈与税は控除することができます。

不動産を贈与すると、贈与税だけでなく、不動産取得税がかかります。
これは相続ではかかりません。
また、登録免許税は、贈与の場合では不動産評価額の2.0%かかりますが、相続の場合は、0.4%です。

さらに、土地を贈与した場合、相続では条件を満たすことで評価減が受けられる小規模宅地特例が、贈与の場合にはありません。
賃貸不動産の宅地であれば200m2まで50%の評価減がありますので、かなり大きな評価減です。
ただし、自宅も含め他の土地で評価減が受けられるのであれば、デメリットにはなりません。

不動産を贈与する場合には、これらのメリット、デメリットをよく考え、シミュレーションを行うことが重要です。

《担当:宮田》

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