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相続時精算課税により不動産の贈与を受ける場合【不動産・税金相談室】

相続時精算課税により不動産の贈与を受ける場合【不動産・税金相談室】

2026.01.13

Q 今年中に、相続時精算課税制度を使って、父から収益物件 (土地付き建物)を贈与してもらう予定です。

その場合のメリットとデメリットを教えてください。

 

A 相続時精算課税とは、原則として60歳以上の父母または祖父母から、18歳以上の子や孫に対し、財産を贈与した場合に選択できる贈与税の制度です。

相続時精算課税による贈与税の計算は、贈与財産の価格から特別控除額2,500万円を控除し、これを超える金額に一律20%の税率を乗じて計算します。

したがって、累計で2,500万円を超えるまでは、贈与税はかからないことになります。ただし、贈与を受けた財産は、贈与者がなくなった際には贈与時の価格で相続財産に加算され(持ち戻し)、相続税の対象になります。

この制度を選択する場合は、贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までの間に選択届等を添付した贈与税の申告書を提出する必要があります。

ご質問のような不動産を、相続時精算課税により贈与を受けた場合のメリットは、下記のとおり挙げられます。

 

・賃貸物件を贈与することで、賃貸収入を早期に子や孫へ移転できる。それにより、贈与者の所得税が軽減されると共に、相続財産が増加することを防ぐことができる。

・将来、路線価が上昇しそうな不動産であれば、相続税の節税につながる。

・2,500万円を超える価格に対して、税率は一律20%であるため、通常の暦年課税による贈与税率よりも低くなる可能性がある。

・相続前に特定の財産を特定の人に贈与することで、 相続争いが避けられる。

 

また、上記のほかにも、令和6年1月1日以降の贈与より、相続時精算課税にも年間110万円の基礎控除が新設されたこともメリットとして挙げられます。

改正前は、相続時精算課税を選択すると、その後は同じ贈与者からの贈与は少額でも申告が必要でした。これが改正により、年間110万円以下の贈与であれば申告は 不要となりました。
もちろん、贈与税を納める必要もありません。

さらに、この基礎控除額は2,500万円の特別控除とは別のものであり、相続財産への持ち戻しは行われないため、相続税がかかることもありません。

 

一方、相続時精算課税のデメリットとしては、下記のものが挙げられます。

 

・一度選択すると、同じ贈与者との間では暦年課税が適用できなくなる。

・贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日迄の間に選択届を提出する必要があり、提出を忘れると相続時精算課税を受けることができない。
そうなると暦年課税により多額の贈与税が課されるリスクがある。

・選択後、基礎控除を超える贈与があれば、都度申告する必要がある。

・選択した贈与財産は相続時に小規模宅地等の特例が適用できない。

・不動産取得税や登録免許税が、相続で取得するよりも多くなる。

・将来、価値が下がった場合でも贈与時の価格によって相続税を計算する。

 

以上のことから、相続時精算課税を選択する場合には、制度の内容について十分把握した上で、慎重に検討することをお勧めします。

≪担当:税理士 青木 智美≫

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