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相続時精算課税制度を適用して土地の贈与を受け、同年中に売却した場合【不動産・税金相談室】

相続時精算課税制度を適用して土地の贈与を受け、同年中に売却した場合【不動産・税金相談室】

2025.07.29

Q 父から土地の贈与を受ける予定なのですが、相続時精算課税制度を適用しようと思っています。
また、その贈与を受けたあと、同年中にその土地を売却しようとも考えているのですが、問題はないでしょうか。

注意すべき点などもあれば、それもお伺いしたいです。

A 相続時精算課税制度を利用してお父様から土地の贈与を受けた後に、その土地を売却すること自体に問題はありませんが、いくつか重要な税務上の手続きと注意点があります。

まず、贈与を受けた年の翌年3月15日までに、「相続時精算課税選択届出書」と贈与税の申告書を提出する必要があります。

また、土地を譲渡していることから、所得税(譲渡所得)の確定申告を行う必要もあります。

なお、この際、譲渡所得の計算に用いる基準となる土地の取得日および取得価額は、お父様がその土地を取得した日および取得価額を引き継ぐこととなります。

つまり、お父様がその土地を取得した時点の情報が譲渡所得税の計算基準となるため、譲渡損益の計算においてはご注意ください。

また今後、贈与者であるお父様に相続が発生した場合には、贈与を受けた土地の贈与時点における評価額を、相続財産に加算して相続税を計算する必要があります。

ただし、この贈与時点の評価額について、贈与を受けた直後に土地を売却した際、その売却価額が贈与時の相続税評価額よりも著しく高い場合には、税務署から売却時の価額の方が実質的な評価額であるとみなされる可能性がある点にご注意ください。

ついては、ご相談いただいた流れで土地の譲渡を行おうとする場合、贈与後に売却することが事前に決まっていることから、相続税の節税を目的とした形式的な贈与と判断される可能性もあるため、慎重に対応することが望ましいです。

このように、相続時精算課税制度は、贈与税の負担を軽減しつつ、将来の相続に備える有効な制度ではありますが、土地の譲渡を伴う場合には、税務上の影響を十分に理解したうえで活用することが重要です。

制度の選択や贈与・譲渡のタイミングによっては、思わぬ課税リスクが生じることもあるため、慎重にご検討ください。

《担当:資産税部 太田 遼》

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