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実践!相続税対策

国等に対する相続財産の寄附【実践!相続税対策】第753号

国等に対する相続財産の寄附【実践!相続税対策】第753号

2026.07.08

皆様、おはようございます。
資産税部の太田遼です。

本日は、相続した財産を国や自治体、公益法人などに寄附(贈与)する場合の税務上の取り扱いや、注意点についてお話しいたします。

 

相続が発生した際、相続人から「お世話になった自治体へ相続財産を寄附して社会貢献したい」といったご相談を受けることがあります。

相続財産を国等へ寄附した場合、その相続財産は「相続税の非課税の特例」を受けることができます。

基本的には、相続した財産には相続税がかかりますが、申告期限(お亡くなりになってから10か月以内)までに国や地方公共団体、特定の公益法人などに寄附をした場合には、その財産は相続税の課税対象から外れます。

さらに、一定の要件を満たせば、所得税や住民税の「寄附金控除」とのダブル適用ができる可能性もあり、税務上の恩恵は非常に大きいといえます。

ただし、この特例を適用するためには、注意すべき点がいくつか存在しますので紹介していきます。

 

まず1つ目の留意点は、寄附先がどこでも良いわけではない、という点です。

というのも、この特例は寄附先が国や地方公共団体、あるいは特定の公益法人などに限定されています。

よく「お世話になったお寺や神社などの宗教法人へ寄附したい」というご相談を受けますが、宗教法人への寄附は、この非課税特例の対象となる特定の法人には含まれていないため、対象外となります。

 

2つ目は、「設立のための寄附」に関する留意点です。

これは、故人の遺志に沿って、新たに公益財団法人などを設立し、そこに相続財産を寄附しようとするケースです。

しかし、この特例は、寄附時点でその寄附先の公益法人等がすでに設立・認可されている必要があります。

そのため、新たに設立のための寄附をした場合、その寄附した財産は相続税の課税対象となります。

 

3つ目は、「相続財産を換価(売却・現金化)してから寄附した場合」は、非課税の対象外となる点です。

不動産や株式などの相続財産を一旦売却し、そこで得た現金を寄附した場合は、非課税特例の対象外となります。

特例の適用を受けるには、換価せずに「相続した財産そのもの」を寄附しなければなりません。

 

さらに、最も重要な手続き面の留意点として、「相続税の申告書への記載」が挙げられます。

この特例は、ただ寄附をすれば適用されるわけではありません。

必ず相続税の申告書に「特例の適用を受ける旨」を記載し、寄附の受領書や一定の証明書を添付して提出しなければなりません。

 

なお、一定の公益法人や学校法人等に、土地や株式などを寄附した場合は、その財産を時価で譲渡したものとみなして譲渡所得が課税されます。

ただし、その公益法人等と協力して、一定の要件に該当することについて、国税庁長官の承認を受けた場合は、譲渡所得は課税されません。

この点もご注意いただければと存じます。

《担当:資産税部 太田 遼》

編集後記

7月に入り、東京もいよいよ本格的な夏の蒸し暑さが到来しましたね。今年は特にジメジメとした日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

私は先日、暑気払いを兼ねてお昼に冷たい蕎麦を同僚と食べに行き、ささやかな涼を感じてまいりました。
これからさらに気温が高くなってまいりますので、熱中症など体調管理にはくれぐれもお気をつけくださいませ。

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