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不動産 税金相談室

離婚により自宅を取得した場合【不動産・税金相談室】

離婚により自宅を取得した場合【不動産・税金相談室】

2025.11.25

Q 離婚に伴い、自宅(住宅ローン含む)の分け方について検討しています。自宅の所有権は夫婦で半分ずつとなっていますので、連帯債務となっている住宅ローンとともに、自宅の所有権を私が引き継ぎたいと考えていますが、この場合は税金が発生するのでしょうか。

A 住宅ローンとともに自宅の所有権を引き継いだ場合、負担付き贈与になると考えられますので、ご自宅の「時価」が、住宅ローンの「債務残高」よりも大きい場合には、ご質問者に対して贈与税が発生します。

不動産における通常の贈与と、負担付き贈与が異なる点は、通常であれば贈与した不動産の価値そのものに贈与税が生じるのに対し、負担付き贈与は負債も引き継いでいることから、不動産の価値から引き継いだ負債を除いた残りの部分に対して贈与税が生じることです。

ご質問の場合は、不動産が共有で、住宅ローンが連帯債務ということですので、所有権の持ち分や、住宅ローンの負担割合で按分して、贈与になる部分があるかどうか判断することになります。

また、もう一つ異なる点は、不動産の価値の評価方法です。
通常の贈与では、税務上定められた評価方法により価値を測定することになりますが、負担付き贈与では、通常の取引価格によることとされていますので、市場価格により価値を測定しなければなりません。

市場価格は、不動産鑑定士の評価や、不動産業者など精通者の意見を基にして確認する必要がありますのでご留意ください。

さて、もしも離婚に伴う財産分与の一環として、ご自宅の時価と住宅ローン残高の差額を譲り渡すとした場合はどうでしょうか。

この場合は、財産分与は非課税として取り扱いますので、仮に差額があったとしても贈与税の対象とは取り扱わず、税金は生じないものと考えられます。
財産分与には、話し合いや相手方との協力も必要になりますので、状況によって対応が異なることになりそうです。
  
一方、負担付き贈与や財産分与により、自宅を譲り渡した側にも税金が発生する可能性があります。
税務上は、住宅ローンの「残高」で不動産の持分を「売却(譲渡)」したと考えることとされているため、所得税(譲渡所得)の対象になるのです。

もちろん、自宅の譲渡となれば3,000万円特別控除の対象となる可能性がありますから、利益がその範囲内であれば税金の負担はありません。

ただし、3,000万円特別控除は親族内での譲渡は対象になりませんから、離婚成立前、つまり夫婦であった期間に実行してしまうと特例を使うことができないのです。

どのタイミングで、負担付き贈与や財産分与を実行されるのかにより、税務上の特例にも影響することとなりますのでご注意ください。

≪担当:税理士 樋口 智勇≫

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