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実践!相続税対策

改正後の相続時精算課税制度の適用【実践!相続税対策】第712号

改正後の相続時精算課税制度の適用【実践!相続税対策】第712号

2025.09.17

皆様、こんにちは。
税理士の宮田雅世です。

令和6年1月1日以後の贈与について、相続時精算課税制度にも、暦年課税の基礎控除とは別に、年110万円の基礎控除が設けられました。

これにより、相続時精算課税制度を選択して贈与を行った方が、令和6年は前年よりも約60%も増えています。

相続時精算課税制度は、60歳以上の親や祖父母から、18歳以上の子や孫に贈与をする場合に、選択することができます。

相続時精算課税制度を選択すれば、110万円を超えたとしても、累計で2,500万円まで贈与税はかからない、ということになります。

ただし、その贈与を受けた財産は、贈与をした人の相続時に、相続財産に加算されて相続税で税金を精算することになります。

令和6年に改正された相続時精算課税制度の基礎控除年110万円は、この2,500万円の特別控除とは別に、非課税になる、ということです。

したがって、相続時精算課税制度で110万円を贈与した場合は、贈与時にも、相続時にも税金がかからないというメリットがあります。

この相続時精算課税制度の改正は、令和6年1月1日以後の贈与について、年間110万円以下の贈与であれば、税金はかかりませんし、申告も不要です。

これは、過去の贈与について、相続時精算課税の特別控除2,500万円を使い切っている方についても同じです。

たとえば、不動産の生前贈与などで、相続時精算課税制度を選択して、2,500万円の特別控除をすべて使用している方は、2,500万円を超える贈与額に対して、一律20%の贈与税がかかると説明を受けたかもしれません。

これが令和6年1月1日以後の贈与であれば、年間110万円の基礎控除がありますので、累計2,500万円を超えていても、基礎控除までは税金がかからないことになります。

また、基礎控除内の贈与は、相続時の相続財産への加算もありません。

なお、同一年に相続時精算課税制度により、複数の贈与者から贈与を受けた場合には、年間110万円の基礎控除を按分して控除します。

受贈者1人につき、年110万円が限度となります。

すでに、2,500万円の特別控除を適用している方についても、110万円の非課税枠は有効ですので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

その場合は、相続時精算課税制度を選択適用した際の申告書や届出書などを確認しておきます。

今後の110万円以下の贈与については申告は不要ですが、きちんと記録しておくと、相続時の申告手続きもスムーズになります。

《担当:税理士 宮田 雅世》

編集後記

9月も半ばを過ぎましたが、まだまだ暑い日が続いております。
そんな厳しい残暑もようやく落ち着き、今週末くらいから涼しくなりそうです。
急な気温の変化で体調も崩しがちです。
体調管理には十分気をつけましょう。

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