実践!相続税対策
財産債務調書(前編)【実践!相続税対策】第407号
2019.10.09
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
税理士の青木智美です。
財産債務調書といわれて、相続に関係ある書類とピンとくる方は、多くはないと思います。
すでにご存じの方は、
『所得や財産が多くある人が、確定申告の際の提出する書類』
『よくはわからないが何しろ大変な書類』
との印象が多いのではないでしょうか。
そうです、とても手間のかかる書類です。
それでも提出すると一定のメリットがあります。
ただ、資料の収集に手間のかかる書類なのですから、もっとご自身のために活用されてもいいのではないかと思います。
今回は改めて、財産債務調書の簡単な内容について、確認していきましょう。
●まず、財産債務調書とは?
財産債務調書は、平成27年の税制改正において、所得税・相続税申告の適正性を確保する観点から創設されました。
従来の『財産及び債務の明細書』が見直され、財産と債務に係る調書の提出を、求められることとなりました。
●提出が必要な方は?
次の1~3のすべてを満たす方が、提出をする必要がある方です。
1.所得税の確定申告書を提出しなければならない方
2.所得の合計額(退職所得を除く)が、2,000万円を超える方
3.その年の12月31日に、3億円以上の財産がある、又は、国外転出特例対象財産※が、1億円以上ある。
※国外転出特例対象財産は、有価証券等をいいます。
3億円以上の財産ということで、債務を控除する前であり、純資産でないことに注意が必要です。
●記載内容は?
提出者の氏名、住所、マイナンバーに加え、財産の種類、価額、所在および債務の金額等を記載することとされています。
まず、財産の一覧を作るだけでも骨の折れる作業ですが、一番の問題は価額でしょう。
価額は、12月31日における「時価」または「見積価額」とされています。
ところで、時価となりますと、不動産であれば、不動産鑑定士に評価してもらう必要があるのか、と心配にもなるところです。
ただ、実際には相続税評価額を使うことが一般的かと思います。
●提出期限は?
その年の翌年の3月15日までに、納税地の税務署に提出する必要があります。
次回は、相続税との関係、また提出メリットについて、ご説明いたします。
━━【講演会のお知らせ・10/15】━━
■「介護業界での飛躍の『敬護理念』」
講師:リハプライム株式会社 代表取締役 小池修 氏
https://www.tmbc.co.jp/schedule/index.html
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私どもの主催する「東京メトロポリタンビジネス倶楽部」で、上記の講演会を行います。
介護業界で注目されている小池社長、相続とも関係があるということで、皆様にもご案内します。ご興味のある方、ご参加ください。
敬うと書いて「敬護」その理念を元に、急成長を遂げています。
離職率の高い介護業界にあって、定着率96%をあげる経営とは?是非、皆様にもお聞きいただきたい講演です。
東京メトロポリタン相続クラブの会員は、講演会費無料とさせていただきます。お申込みサイトの備考にその旨お書きください。
詳しくは、下記サイトをご覧ください。お申込みもこちらから。
→ https://www.tmbc.co.jp/schedule/index.html
●日時
令和元年10月15日(火)18:00受付開始
講演会 18:30~20:00 懇親会20:15~
●場所
ホテルローズガーデン別館2Fローズルーム
丸の内線「西新宿」駅1分 TEL:03-3360-1533
●講演会費
3,000円(東京メトロポリタン相続クラブ会員は無料)
●懇親会費
4,000円(20:15~21:45)
※お申込みはこちらから→ https://www.tmbc.co.jp/schedule/index.html
編集後記
ついに消費税が増税となりました。
また、相続税の増税の可能性も高いといわれています。
既に基礎控除額が減額され、相続税申告者が増えていますが、それでも申告は、死亡された方の全体の約8%と低い数字となっております。
ということは、消費税と比べると反対する人が少なく、増税の可能性が高い、という状況です。
今後も相続税の税制改正からは、目が離せませんね。
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