東京メトロポリタン税理士法人

お問い合わせ

〒160-0023 東京都新宿区西新宿6-24-1 西新宿三井ビルディング17F

  1. HOME
  2. メールマガジン
  3. 実践!社長の財務
  4. 事業家とは何の変哲もないことを事業にする人【実践!社長の財務】第661号

実践!社長の財務

事業家とは何の変哲もないことを事業にする人【実践!社長の財務】第661号

事業家とは何の変哲もないことを事業にする人【実践!社長の財務】第661号

2016.07.04

皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。

7月1日、路線価が発表されました。路線価は、相続税や贈与税の課税対象となる土地の価格です。ここ数年は毎年7月1日発表となっています。

今年は、全国平均では8年ぶりに前年を上回りました。
特に東京は2.9%アップで最も高く、銀座鳩居堂前の最高路線価は、何と18.7%も上昇し、m2あたり3,200万円にもなりました。

インバウンド消費の影響も大きいようですね。
皆様の自宅や会社の側なども、国税庁ホームページより簡単に検索できますので、調べてみてはいかがですか?
→ http://www.rosenka.nta.go.jp/

ということで、本日も「実践!社長の財務」よろしくお願いいたします。 
 

事業家とは何の変哲もないことを事業にする人

週末、京セラ創業者の稲盛和夫氏の本を読みました。

同氏の本は、様々読んでいますが、読む度に新たな気づきがあります。

今回はその中からこれは、と思ったことをお話しします。

それはタイトルに書いたことです。

事業家、起業家というと、特別な技術や才能を持った人を思い浮かべるかも知れません。

ベンチャー企業などというと、特にその技術や才能などがクローズアップされているような気がしますね。

そのような特別な技術や才能を持っていれば、それは強みになりますが、決してそうではない事業家が多い、というのは考えてみればわかることです。

たとえば、カレーのチェーン店「ココイチ」にしても、家具のニトリにしても、決して誰にもできない技術があったから成長したわけではないと思います。

カレーのお店などは、やろうと思えば誰でもできるはずです。

その事業にかける強い思いと、日々の努力、創意工夫が半端でなかったからこそ、一大事業に育っていったのです。

京セラの稲盛氏だって、最初からセラミックの専門家ではなかったのです。たまたまそのような会社に入って、その製品を担当するようになって、研究を始めてあのような世界的な企業を作り上げていったのです。

京都には、高収益でユニークな会社が多いですが、ロームにしろ村田製作所にしろ、ワコールにしろ、任天堂にしろ、最初は皆、素人から始めたということです。

素人であるからこそ、今までの慣習にとらわれず、自由に発想していったのです。

その本で稲盛氏は、京セラの物流部門を例にあげています。

京セラはご存知のとおり、アメーバ経営をして各工程ごとの部門別採算管理をしています。そのような個々のアメーバは、皆利益を上げる独立採算の部門です。

ただし、すべての部門が独立採算になっているわけではありません。経理や総務、人事といった部門は共通部門となっています。

物流部門もある時までは、共通部門でした。

工場内の各事業部で作った製品を、荷造梱包して発送するのが物流部門です。発送は外部の運送業者に委託します。

工場の全事業部の製品を梱包発送するため、共通部門として、各事業部が費用を負担して面倒を見る、というような形になっていました。

これをある時から、独立採算の事業部にしようということになりました。単に製品を梱包し、倉庫に入れ、運送会社が取りにくると積み込んで発送するだけの仕事です。

技術がいるわけでもない、誰にでもできる仕事です。これが果たして事業部になるのかという懐疑的な見方もあったようです。

しかも各事業部からの要請で、既にかなり合理化されています。

事業部長を社内公募したところ、ある工場長が立候補したとのこと。

その後3年たってどうなったかというと、売上約20億円に対して、税前利益が5億円、何と25%もの利益率を出す事業になったのです。(ずい分前の一工場の話ですのでご留意ください)

しかも、各事業部が負担していた共通費を以前よりも大幅に安くして、これだけの利益を上げるようになったのです。

今まで共通経費を全部使い切っていた部門が、共通経費を減らした上で、25%もの利益を出す。これこそが事業だということです。利益ゼロが25%もの利益になったのですから...。

誰でもできそうな、簡単そうなことを、利益を上げる事業にしていく人、これこそが事業家なのです。

しかもあの京セラですから、事業部になる前だって相当の合理化をして徹底的に共通費を絞っていたはずです。

それでもこれだけの利益を上げられる事業にすることができるのです。

何をやったかは書けませんが、どんな仕事でも、既に今まである仕事であっても、創意工夫、改善改良、日々の努力次第で、いくらでも事業にしていくことができる、ということです。

是非、皆様も、自社の事業をもう一度見直してみて、もっと創意工夫することができないのか、やり方を変えてもっとコストを下げることはできないのか、日々考えてみてください。

この業界は利益率が低いんだ、などという固定観念にしばられず、様々な創意工夫をすることによって、高収益率の会社になっていくことができるはずです。

編集後記

昨日は家族で父の実家に行って整理をしてきました。老人ホームに入ったので、もうずい分空き家になってしまっています。整理するといろいろなものが出てきますね。特にやはり写真などを見つけてしまうと、懐かしくてじっくり見入ってしまいます。
私の小さい頃の写真なんかがあったりすると、家族で大騒ぎになります(笑)。結果、あまり整理が進まなかったりしますが…。

メルマガ【実践!社長の財務】登録はコチラ
https://www.mag2.com/m/0000119970.html

税務・財務・経営のご相談はお問合せフォームへ

税理士セカンドオピニオン

<< 実践!社長の財務 記事一覧