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実践!社長の財務

数字の公開=信頼関係【実践!社長の財務】第220号

数字の公開=信頼関係【実践!社長の財務】第220号

2008.01.21

皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。

先週は、税制改正に携わっている方の講演を聴きに行ってきました。
平成20年度の税制改正の目玉は、何と言っても「事業承継税制」ですね。

中小企業の後継者への株式の相続にあたって、その80%の相続税の納税猶予をしよう、という制度です。
 
様々な葛藤の中で形になってきた制度ですが、かかわられた方の強い想いでできてきた経緯を聞くと、単なる制度としてではなく、ドラマとしてこの制度ができてきている、ということを実感し、大変感動しました。

でも、この制度ができることにより、日本の中小企業の事業承継は格段にやりやすくなりますね。

非上場の優良企業の株式評価額は、非常に高く評価され、相続税の納税が大変困難であった、その結果株式が分散して、事業承継が円滑に行なわれない、という問題があったのです。

日本の中小企業は、大企業を支える技術を持った会社も多く、これを守らなければ、日本の将来はない、ということで、大変力の入った思いのこもった制度であると思います。

是非、これを活用し、技術のある会社、社会に役立つ会社を継続していって欲しいですね。
 
ということで、本日も実践!社長の財務、始めましょう!

数字の公開=信頼関係

会計理念経営10か条の続きです。

第9条 数字は、できる限り社内に公開する

・・・数字を公開しないと、モチベーションは上がらない
・・・全社員で数字を共有し、全員経営を行なう会社は強い

中小企業、特にオーナー型の中小企業にとって、会社の数字を公開することは、とても勇気のいることです。

良くても、悪くても、公開した時の社員への影響を考えてしまいます。

数字が良い場合は、
「こんなに儲かっているのに、社員の給与が安い!」とか、
「社長ばかり、いい給与を取っている!」

などと社員に思われないか...

数字が悪い場合は、
「会社は大丈夫か? と社員が不安になるのではないか?」
「社長の能力ないんじゃないか?と思われてしまう...」

などと心配をしています。

その他にも、
頭から「社員になど、そこまで見せる必要はない!」
と否定していたり、「そんなもの見せると図に乗る!」

なんて思っている社長もいます。

そして、最も多いと思われる理由は...
「見せられない、見せるとマズイ...」というものです。

社長の飲み食いやゴルフなど交際費が多い、とか、
社長の公私混同の費用がたくさん入っている、
社長の親族にたくさん給与を払っているとか、
・・・

社長の私的なものが多いので、とても社員には見せられない、というものです。 

以上のような理由を見ると、どうでしょうか...?

前向きな理由、経営を真剣にやろうという理由、があるでしょうか?

ほとんど後ろ向きの理由しかないと思います。

ということは、経営にとってあまり良くないですよね?

社員に堂々と数字を見せられる経営の方が、いいと思いませんか?

数字を見せることのデメリット、というのは本気で経営のことを考えると、あるのでしょうか?

この問題は、本気で経営を考えるかどうか、です。
いい会社にしていこう、社員を幸せにしていこう、と本気で考えるかどうか、です。

社員の立場で考えてみると、わかると思います。

自分たちのやった結果、会社がどうなっているのかわからない。

結果を知らされていない、ということは、自分たちは信用されていないのではないか?
 
所詮、そんな立場であるのなら、責任を持って最後までやり抜こうとは思わない。

自分たちには責任はない。

役職をつけてもらっても、形だけか...

というように、不安や不信感、無責任感を生むだけです。

こう言うと、「うちは見せていますよ。」という会社も多いのですが、

それは売上(商品別、部署別、担当別...)だけだったり、粗利までだったりします。

また、営業部でつけている数字で、実際の月次損益とは違うものだったり、することも多いですね。

私が言っているのは、社長が見る「月次試算表」のレベルのものを、公開しましょう、ということです。

もちろん、各人の給与だけは微妙な問題もありますので、これは合計だけ開示すればいいと思います。
(各人の給与まで公開している会社もありますが)

また、公開する社員も、まずは幹部から、というように段階的に行なうのもいいと思います。

「月次試算表」のレベルですから、当然、最終利益まで見せるのです。

これをやると社員の反応は、どうなのでしょうか?

うちも含め、社員がやる気をなくした、文句を言ってきた、ということは聞いたことがありません。

不安に思った、かどうかはわかりませんが、少なくとも言えることは、
社員が、「真剣に会社のことを考えてくれる。」ようになる、

これだけは、間違いないと思います。
数字が良くても、悪くても。

そして、経営者が社員に、非常に話がしやすくなります。
 
「今、うちはこういう状態だから、○○をやるんだ。」

ということが、堂々と言えます。

数字を公開する、ということは、
要は、社員を信頼することだと思います。

数字をトコトン公開している会社は、社員を信用している、信頼している証ですね。

それがあって初めて、社員も、社長を信頼してくれるのだと思います。
最終利益まで公開しているのですから、隠し事は一切ない、ということです。

そのためには、社長も、公私混同を廃し、社員に堂々と説明できる経理内容にしていく必要がありますね。

社長にとっては多少窮屈になるかも知れませんが、会社にとっては非常にいいことですよね?

社長が、少しでも「私」を取り除くことが大事であり、それがひいてはいい会社、立派な会社になっていく秘訣だと思います。

その方が、社長にとっても、いいじゃないですか?

編集後記

週末は、顧問先の社員新年会に行ってきました。
150名近くの方が集まり、手作りの暖かい感じのとってもいい会でした。
最後は、社歌?に合わせた楽しい踊りを全員で踊って、笑顔で送っていただき、いい気分で帰ることができました!社員のつながりがとても感じられるいい会社ですね。

もちろん、業績もGoodです!

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