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納税猶予が取り消される場合(贈与)【実践!事業承継・自社株対策】第20号

納税猶予が取り消される場合(贈与)【実践!事業承継・自社株対策】第20号

2019.07.26

事業承継税制の適用を受けて、贈与税が納税猶予された場合でも、その後に認定が取り消される場合があります。

認定が取り消されると、猶予されていた贈与税の全部または一部と、猶予されていた期間の利子税を納付しなければならなくなりますので、取り消し事由に該当しないように、注意しなければなりません。

では、どのような場合に納税猶予が取り消しになるのでしょうか?

まずは、後継者に関する要件です。

1.後継者が代表者を退任した場合

2.議決権の同族過半数要件を満たさなくなった場合

3.同族内での筆頭要件を満たさなくなった場合

4.納税猶予対象株式を譲渡または贈与した場合

5.次の後継者に事業承継税制を使って贈与をした場合
この場合は、後継者の贈与税が免除されます

6.後継者(受贈者)が死亡した場合
この場合も、後継者の贈与税は免除されます

※ただし、上記1、2、3は、5年間の経営承継期間のみです。

次に先代経営者に関する要件です。

1.先代経営者が再び代表者になった場合

2.先代経営者が死亡した場合
この場合は、後継者の贈与税が免除された上で、その株式は相続または遺贈により取得したものとされます。

また、この場合においては、相続税の納税猶予を受けることができます。

※ただし、上記1は、5年間の経営承継期間のみです。

最後に会社の要件です。

1.雇用の5年間平均8割維持要件を満たせなかった場合に、実績報告を行わなかったとき

2.一定の会社分割を行った場合

3.一定の組織変更を行った場合

4.解散した場合

5.資産保有型会社、資産運用型会社に該当した場合

6.総収入金額ゼロに該当した場合

7.資本金、準備金を減少した場合(欠損填補目的等を除く)

8.合併により消滅した場合

9.株式交換、株式移転により完全子会社となった場合

10.上場会社、風俗営業会社に該当した場合

11.特定特別子会社が風俗営業会社に該当した場合

12.黄金株を後継者以外の者が保有した場合

13.後継者の代表権、議決権を制限した場合

14.年次報告書や継続届出書を未提出、または虚偽の報告等をしていた場合

※ただし、上記1、10、11、12、13は、5年間の経営承継期間のみです。

なお、認定後に一定の中小企業でなくなった場合は、取り消し事由にはなっていません。

以上、取り消される事由が結構ありますね。

うっかり取り消し事由に該当してしまう場合があるかも知れません。

特に、会社の要件の7番のように、減資をしてしまった場合なども取り消しになってしまいますので、上記要件には十分に注意しておく必要があります。

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